「優勝を完全に手繰り寄せたのは7区」 帝京大OBたむじょーが箱根駅伝を分析

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9区、10区で区間新記録を連発し、総合記録、復路記録を更新した青学大(写真は10区の中倉) 【写真は共同】

 第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が1月2、3日と、東京・読売新聞社前から箱根・芦ノ湖間の往復全10区間217.1キロのコースで行われ、青山学院大が総合タイム10時間43分42秒の大会記録で制し、2年ぶり6度目の優勝を飾った。往路を5時間22分6秒で制した青山学院大は、復路も9区、10区の区間新記録を含め、復路新記録の5時間21分36秒で走り、往路、復路、総合と完全制覇となった。2位には順天堂大、3位は前回覇者の駒澤大が入った。来年のシード権を獲得できる圏内となる10位に法制大が滑り込み、11位の東海大、12位の神奈川大などは惜しくもシード権獲得とはならなかった。

 今回のレースに関して、陸上の名門・市立船橋高出身で、帝京大2年時に、第94回(2018年)箱根駅伝で8区を走った経験を持つランニング×コメディ系YouTuberのたむじょーさんが振り返る。

当日エントリー変更で7区に投入された青学大・岸本。2位との差を大きく広げる走りで2年ぶり総合制覇を引き寄せた 【アフロ】

――今年の箱根駅伝は青山学院大が往路、復路、総合でトップに立ち完全制覇となりました。今回の青山学院大のレースについては?

 本当に原晋監督の采配のうまさが目立ちましたね。エントリーした16人全員が1万メートル28分台のタイムを持っていましたし、そのような戦力をそろえられたことがさすがでした。それに、どの選手が走っても大丈夫な状況を作れたと原監督がおっしゃっていたので、足に不安を抱える選手を温存できたのだと思います。

 ほかの大学は、往路に主力選手を配置し、復路は耐えるレースを想定していたと思いますが、青山学院大だけは、7区に岸本大紀選手、8区に佐藤一世選手、9区と10区には区間記録を更新した中村唯翔選手、中倉啓敦選手という強い選手を置けました。それが青山学院大の強みでもあり、復路2連覇の要因なのかなと思います。

 シーズンを通してみると、出雲駅伝と全日本大学駅伝で負けてしまったことで、その悔しさが箱根駅伝に対する思いを強くしたと思います。負けもありつつ、箱根はしっかり勝たないといけないという選手たちの意識が、今回の総合タイムの記録更新にもつながったと思います。箱根を勝ちたいという思いは青山学院大が一番でした。

――優勝のポイントとなった区間は?

 優勝を完全に手繰り寄せたのは7区の岸本選手ですね。6区では後続との差を広げることができなかったので、もしかしたら2位、3位のチームが追いつけるんじゃないかという希望が見えてきたのですが、岸本選手の区間歴代5位の走りで、「さすが青学だな」という感じでした。7区に岸本選手を配置して、あの走りをできたのが一番大きかったんじゃないかと思います。

順天堂大は“三浦頼み”にならないチームを作れた

2区の三浦龍司が走り終えて17位と出遅れたものの総合2位と躍進した順天堂大 【写真は共同】

――総合2位は順天堂大となりました。1区では18位とスロースタートとなってしまいましたが、そこから巻き返しました。その要因はどんな点でしたか?

 総合的にじわじわ順位を上げてきたのですが、2区でも東京五輪で日本代表だった三浦龍司選手も本来の力を発揮できなかったようでした。ただ「三浦にばかり頼らない」というチームを作れたことが大きかったと思います。6区の牧瀬圭斗選手が区間賞を獲得し、ここで上位に上がってくることができました。

 7区では前の駒澤大の選手をとらえることができたので、そこでエンジンがかかって勢いづいたと思います。そして8区でその勢いを保ったまま津田将希選手が区間賞の走りを見せたので、こうやって復路に区間賞を獲得できる選手を配置できる選手層が、順天堂大が総合2位に入れた要因だと思います。復路優勝も狙えるという選手層だったと思いますが、そこは青山学院大が一枚上手でした。

 ただそれには2区に絶対的なエースの三浦選手を置けるという安心感もあったと思います。ただそこで頼りすぎなかったことが後半の巻き返しにつなげたと思いますし、ほかのチームはエースに頼り過ぎてしまって、順位を落としてしまったところもあったかなと思います。

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