連載:高校サッカー選手権 記念すべき100回大会の「注目校」&「注目選手」は?

進化が止まらない“怪物”チェイス・アンリ 規格外のCBが第100回大会の主役になる

吉田太郎
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尚志のCBチェイス・アンリは今大会の主役候補。高校生活を締め括る大舞台で、圧倒的なパフォーマンスを見せられるか 【吉田太郎】

 今回の高校サッカー選手権で最も注目される選手の1人であろう、尚志高校のCB、チェイス・アンリ。規格外の能力を持つ17歳は、高校生ながらU-22日本代表に名を連ね、いずれはA代表を背負って立つ存在になると目される。高校入学当時は粗削りだった少年が、この3年間でいかにして成長してきたか。恩師である仲村浩二監督の証言を交えながら、高校最後の大舞台に臨む大器の進化の過程を辿(たど)る。

内田篤人は「とんでもない化け物」と評した

 第100回選手権で新たな伝説を目にできるかもしれない。それほどスケールの大きなタレントが出場する。

 尚志高校(福島)のCBチェイス・アンリ(3年)は身長187センチ、体重80キロ。2004年3月24日生まれのアンリは今年10月のAFC U-23アジアカップ予選で2カテゴリー上のU-22日本代表へ選出され、初戦で先発フル出場して勝利に貢献した。

「とんでもない化け物」

 元日本代表DFで、ロールモデルコーチとしてチームに帯同した内田篤人氏が自身の冠番組でそう評した大器。攻守で見せるヘッドや対人守備はU-22日本代表の中でも目立つほどで、進化させてきた守備対応、右足キックでも違いを生み出すことができる。アフロヘアーをなびかせながら疾走する姿も絵になり、スター性は十分。実際、福島県予選決勝の後半アディショナルタイムにはカウンターから約80メートルを走り切り、決勝点を挙げてチームを2年ぶりの選手権へ導いている。

 アメリカ人の父と日本人の母を持つアンリはアメリカ生まれ。中学1年時に、母の実家のある神奈川県へ移住した。当時は日本語を話せず、プレーヤーとしてもまだ無名だったが、3年時に尚志がスカウト。同年夏、ハーフ選手5人が選出されていたU-17日本代表の欧州遠征に帯同した尚志の仲村浩二監督は、高校のスタッフと「監督、ウチにも来年、アンリと(安江海)ラウルが来ますよ」「2トップか?」「いえ、両方CBです」といったやりとりをした記憶があるという。入学直前にアンリを見た仲村監督は、当時の印象についてこう語る。
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