ともやん(YouTuber)×米須玲音 2人のバスケスターが語るウインターカップ

青木美帆

人気YouTuberのともやんと昨年のウインターカップで東山高校を準優勝に導いた米須玲音の対談が実現 【撮影:小林学】

 高校生のバスケプレーヤーにとって、ウインターカップは憧れの場所。厳しい予選を勝ち抜いた限られた選手だけが、その舞台に立つことを許される。昨年、東山高校をウインターカップ準優勝に導いた米須玲音選手と、自身もウインターカップを経験しているYouTuberのともやんが、高校バスケ最高峰の大会について語り合ってくれた。
――お二人はいつからお知り合いなんですか?

とも お仕事でお話しさせてもらったのは去年の5月くらいやったと思うんですけど、僕はその前から一方的に知っていましたよ。初めて知ったのはおととしのウインターカップかな。パスがすごく繊細だし、何よりゲームコントロールがめちゃくちゃうまい。今まで見てきたガードのなかで一番「こんな選手になってみたかった!」って思わされました。

米須 ありがとうございます。ゲームコントロールは自分でもかなりこだわってきたので、そう言っていただけてすごくうれしいです。

とも あれ、どうやって磨いてきたん?

米須 東山高校の大澤徹也先生には、「いつも時間と点数を考えながらプレーしなさい」と言われていて、そこはかなり意識しました。

とも 試合の流れをコントロールするのって言葉で言うよりだいぶ難しいよな。疲れとかプレッシャーがあるなかで、40分間冷静でいるためには練習から意識しないといけないし、自分だけじゃなくチームメイトのモチベーションや気分の浮き沈みにも気を配らないといけないし。

まったく緊張しなかった終了間際のフリースロー

高校時代は3年連続ウインターカップに出場した米須 【撮影:小林学】

――東山高校の一員として準優勝に輝いた去年のウインターカップは、米須選手にとってどんな大会でしたか?

米須 目標としていた優勝には手が届かなかったけれど、チームも自分もやってきたプレーを最後まで貫けたので、すごく楽しかった大会でした。

とも 決勝の仙台大明成戦はすさまじい試合やったな。残り12秒で3点負けてる場面で、米須くんがフリースローを3本全部決めたときはマジでしびれた。あれ、僕やったら全部はずしてるわ。

米須 あのフリースローはまったく緊張せず打てましたね。

とも うわ、信じられへん(笑)。やってる側としてはどんな試合やった?

米須 前半リードで終わって、ハーフタイムに自分が「去年はここで気を抜いて負けた。ここからだぞ!」って言ってました。その前の年のウインターカップで、福岡第一に後半一気に追い上げられて逆転負けしたのが忘れられなくて。

とも あの年の福岡第一は、河村勇輝くん(東海大2年)、小川麻斗くん(日本体育大2年)、スティーブくん(専修大2年)を中心にウインターカップ二連覇やったね。それでそれで?

米須 第3クォーターは乗り切れたんですけど、やっぱり第4クォーターに気の緩みが出て、一気に逆転されて……。バスケってやっぱり最後までわからない競技だなって思ったし、仙台大明成は一枚上だなって感じましたけど、個人的には、「次のステップで生かそう」と前向きに受け止められたのでよかったです。

とも 初戦から決勝まで東山の試合を見たけれど、米須くんって大会を通して浮き沈みがなかったよな。あれって地味にすごいことやと思うんやけど、なんかルーティーンとかあったの?

米須 ルーティーンは特にないんですけど、練習や自主練でやってきたことに自信を持って、それを常に思い出しながらプレーしていました。3年は特に自主練をがんばったので、その成果がウインターカップを通して出せたって思っています。

とも 確かに、自信がつくと、びっくりするくらいうまくなるよな。僕は下級生のときは全然自信がなかったけれど、高3のときにアンダー代表の選手とマッチアップしてプレーが通用したときに、初めて自信がついたんやった。米須くんは何かきっかけはあった?

米須 自主練をがんばろうと思ったきっかけは河村さんですね。1年のころから負けてばっかりで、自分が3年のときは河村さんは卒業していなかったけれど、それでも日本一を取るには自分がもっと成長しなきゃいけないって思って、追い込みました。

とも 河村くんに勝ちたいって思いが米須くんを成長させたんやね。確かに2年と3年じゃ全然オーラが違ってたな。なんかもう「身長10cmくらい伸びた?」ってくらい存在感がでかかったもん。

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著者プロフィール

早稲田大学第二文学部卒。大学時代より国内バスケットの取材活動を開始。中高生向けバスケット雑誌の編集部を経て、現在はフリーのエディター&ライターとして活動中。

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