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J1月間MVPイニエスタが語る強い覚悟「残り試合はすべて決勝戦のつもりで」

舩木渉

大迫と武藤はプレーの幅を持っている

途中加入の武藤嘉紀(右)や大迫勇也とも、すでに良好な関係を築いている。持ち味を引き出された武藤は、早くも加入後5得点 【(C)VISSEL KOBE】

――古橋選手はいつも、「イニエスタ選手がいたから自分は成長できた」と話しています。試合を見ていても、イニエスタ選手と一緒にプレーすることで、若い選手たちが目に見えて頼もしさを増しているように感じます。日常の中で、彼らにはどのようなことを伝えているのでしょうか?

 何よりもお互いのことを知るための時間が必要ですが、今は日本人のチームメートたちと、とても良い信頼関係を築けていると思っています。ピッチ上でのプレーも本当によく合ってきているんです。もちろんチームメートには、「こういうことに気をつけてほしい」とか、「こういうことをやってほしい」といった要望は、話し合いの中で伝えるようにしています。

 私には、(チームメートが)サッカーを理解するために働きかける役割があると思っていますが、まずは自分自身のコンディションを上げてチームに貢献することが大切です。そうやって周りの選手に自分を信じてもらい、みんなと一緒に成長していくという感覚でやっています。

――新加入の大迫勇也選手や武藤嘉紀選手などとも、すでに良い関係を築けているように見えます。チームメートたちの力を最大限に引き出すため、ピッチの中ではどんなことを心がけてプレーしていますか?

 練習を重ねてお互いの信頼関係を築き、呼吸を合わせていくことを重視しています。そうやってチームメートのプレースタイルを理解すれば、例えばパスを出すにしても、スペースに出すのか、足もとに出すのかなど、細かな部分に磨きがかけられますからね。

 大迫選手や武藤選手はヨーロッパでもプレーした経験がありますし、プレーの幅を持っています。彼らのような選手がいると、MFとしてはすごくやりやすいですね。

ここからどう戦い抜くかは自分たち次第

10月以降は無敗と好調の神戸だが、ACL出場権獲得という目標に向けて、イニエスタは最後まで気を緩めない 【Photo by Kaz Photography/Getty Images】

――ヨーロッパからJリーグに復帰した選手たちはよく、「日本と海外のサッカーはまったく違う」と言います。イニエスタ選手も日本のサッカーに適応していくプロセスを踏んできたと思いますが、実際にヨーロッパのサッカーとは何が違うのでしょうか? そして、日本サッカーが世界トップクラスに追いつくためには、どこを伸ばしていかなければならないと考えていますか?

 Jリーグに来て最初に感じたのは、「とても競争の激しいリーグだな」ということでした。どんな試合も、勝つのが本当に難しい。ただ、競争心のある自分にとっては非常に良い環境ですし、そういった意味で日本のサッカーはすごく楽しいです。

 確かにプレーコントロールやゲームコントロールといった点で、まだ成長の余地があるかもしれませんが、日本のサッカーは日々進歩していますし、間違いなく良い方向に進んでいると思っています。

――来年で神戸に加入して5シーズン目になりますが、日本でのこれからの展望、目標、意気込みなどを教えてください。

 まずは今シーズンの残り3試合に、すべてが決勝戦というモチベーションで臨まなければならないと思っています。そういった姿勢がなければ、目標は達成できません。ここからどう戦い抜くかはすべて自分たち次第。最後まで気を抜くことなく取り組んでいきたいですね。

 そして、今後も選手として成長を続け、チームに貢献するために日々頑張っていくことが、今の私の最大のモチベーションになっています。自分がここに来てから、神戸はクラブとして成長しているとみんなが感じてくれていると思いますし、これからも可能な限りタイトルを勝ち取れるよう、努力を惜しまないつもりです。

(企画・構成:YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1994年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業。大学1年次から取材・執筆を開始し、現在はフリーランスとして活動する。世界20カ国以上での取材を経験し、単なるスポーツにとどまらないサッカーの力を世間に伝えるべく、Jリーグや日本代表を中心に海外のマイナーリーグまで幅広くカバーする。

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