連載:高校野球2021、夏の地方大会「激戦区」を占う

「実力校ランキング・21年夏」大阪編 夏の日本一を誓う大阪桐蔭を追撃するのは

沢井史
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今春のセンバツは1回戦負けで、「夏こそ日本一」との思いが例年以上に強い大阪桐蔭。ともに150キロ超の松浦、関戸を擁すなど、分厚い選手層を誇る 【写真は共同】

 参加175校、167チーム(うち連合チームが5)がしのぎを削る大阪府大会が、いよいよ7月16日からスタート。今回から初めてシード制が導入され、春季大会で16強入りのチームは2回戦からの登場となる。やはり頭ひとつ抜けるのは、今春のセンバツに出場し、近畿大会も制した大阪桐蔭だが、彼らとてこの激戦区を勝ち抜くのは容易ではないだろう。センターラインが充実する関大北陽、春季大会準優勝の近大付、そして一昨年に初の全国制覇を果たした履正社も、ノーシードからチャンスをうかがっている。実力校トップ10を見ていこう。

(ランキング表はコラムの最後に掲載します)

春に経験を積んだ大阪桐蔭の2年生投手コンビ

 1位に挙げた大阪桐蔭は「大本命」と言ってもおかしくないが、チームとして見れば、今年は例年とは少し違った思いで夏を迎えているのかもしれない。それは今春のセンバツで、西谷浩一監督の就任以降、初めて甲子園で初戦敗退という悔しさを味わったからだ。

 08年、14年のように、センバツに出場せずに夏の甲子園で優勝したケースもあるが、12年、18年はセンバツを制し、そのまま夏も全国の頂点に立って春夏連覇を達成している。甲子園に出るたびに、これほど優勝を期待される学校は他にないが、今年のチームも期待値は決して低くはなかった。

 ただ、今春の府大会でベンチを外れた最速150キロの大型左腕・松浦慶斗(3年)は、近畿大会でもベンチ入りこそしたものの、登板はなし。154キロ右腕・関戸康介(3年)も府大会の決勝で1イニングの登板はあったが、近畿大会でマウンドに立つことはなかった。

 そんな中、代わってエースナンバーを背負った最速145キロ右腕の竹中勇登(3年)が奮闘。さらに188センチの長身右腕・川原嗣貴、昨秋から快投を見せる左腕の川井泰志という2年生コンビが経験を積んだことも大きい。

 一方の攻撃陣も、この春は主に4番に座った花田旭、パンチ力のある池田陵真、強打者の宮下隼輔(いずれも3年)らに加え、他校なら上位打線を担える俊足の野間翔一郎(3年)が、春は下位を打つなど、やはり選手層は厚い。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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