連載:高校野球2021、夏の地方大会「激戦区」を占う

「実力校ランキング・21年夏」神奈川編 打倒・東海大相模に虎視眈々の刺客たち

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今春のセンバツを制した東海大相模が、不動の本命だ。エースの石田は、球威はもちろん、制球力やピンチにも動じない精神力も高く評価される 【写真は共同】

 今春のセンバツで10年ぶり3度目の優勝を果たした東海大相模が、夏の神奈川大会の大本命であることは間違いない。現在、県内では6季連続優勝中。先ごろ、今夏限りでの勇退を発表した門馬敬治監督にとっての最後の夏に、史上8校目の甲子園春夏連覇を目指している。ただし、春の県大会決勝で惜敗した桐光学園を筆頭に、「打倒・東海大相模」の刺客たちも虎視眈々だ。果たして、参加176校の頂点に立つのは──。激戦必至の神奈川大会の行方を占った。

(ランキング表はコラムの最後に掲載します)

東海大相模・石田の安定感は15年の小笠原以上

 東海大相模を止めるチームは現れるのか――。

 これが、神奈川大会の最大の注目ポイントであることは、言うまでもない。

 春のセンバツを制した東海大相模にあるのは、安定した投打だけではない。コロナ禍でどのチームも練習時間や対外試合の制限がある中、センバツという全国の舞台で5試合を戦い抜いた経験値こそ、なによりの強みとなる。

 エース石田隼都の力は全国でも随一だ。球威はもちろん、打者に間合いをはからせない早いテンポに高い制球力、ピンチにも動じない精神力。確実に試合を作る安定感においては、全国制覇を果たした2015年の小笠原慎之介(現中日ドラゴンズ)よりも上と見る。

 2番手以降にも3年生の石川永稀や2年生の求航太郎らが控え、長丁場の神奈川大会を耐え抜く陣容は整っている。

 足を絡め、序盤から畳みかける「アグレッシブベースボール」も健在だ。ただ、センバツの決勝で1点目をスクイズで取りにいったように、今年のチームは「1点」をしぶとくもぎ取ることもできる。まさに変幻自在。長打力もある1番の門馬功、勝負強い4番の柴田疾らが、夏も打線の中心となりそうだ。
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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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