ベイスターズ再建録―「継承と革新」その途上の10年―

12球団最低の観客動員数からの脱却をーー 「STAR☆NIGHT」プロジェクトの舞台裏

二宮寿朗
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2013年シーズンの目玉となるスペシャルイベントが夏休み中の8月2〜4日の3連戦で実施する「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」だった 【横浜DeNAベイスターズ】

  12球団最低の観客動員数からの脱却をーー。

 週末の3連戦を満員にするところから始めた「満員プロジェクト」。平均2万人に届いていないところを2万人に、そして頑張って3万人へ。

 参入1年目の2012年シーズンは4回の大入りを記録して、「横浜DeNAベイスターズは何か面白いことをやる」イメージをひとまず植えつけることができた。シーズン後には「『コミュニティボールパーク』化構想」を発表。野球好きから野球をあまり知らない人までスタジアムに集い、家族、友人、同僚らと一緒になって野球をきっかけにしてコミュニケーションを育む場にしたいと考えていた。その一環として横浜スタジアム改修プロジェクトを実施し、ファールゾーンのグラウンドレベルにつくるエキサイティング・シート、ツインシート(2人用)、トリプルシート(3人用)、BOXシート(3〜5人用)を設置した。

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 野球を楽しんでもらい、野球以外でも楽しんでもらう。そのためのスペシャルチケットとスペシャルイベントも、グレードアップさせなければならなかった。

 本拠地開幕戦では通常では見ることができない試合前のバッティング練習をバックネット裏から見学できる「バッティング練習見学付きチケット」を実施。中畑清監督からも「練習の邪魔になることなんてない。人に見られて練習することは選手のためになる」とお墨付きをもらい、大好評を得る企画になった。監督はわざわざファンのところまで足を運び、握手するサービスに協力している。

 2013年シーズンの目玉となるスペシャルイベントが夏休み中の8月2〜4日の3連戦で実施する「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」だった。前年も実施しているが、ここが勝負どころと、最もオカネを掛けてもいいイベントとしていた。横浜の夏のお祭りとして名物にしていくという気概を持って。

 コンセプトはこうである。
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著者プロフィール

1972年、愛媛県生まれ。日本大学卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社し、格闘技 、ラグビー、ボクシング、サッカーなどを担当。退社後、文藝春秋「Number」の編集者を経て独立。 様々な現場取材で培った観察眼と対象に迫る確かな筆致には定評がある。著書に「 松田直樹を忘れない」(三栄書房)、「中村俊輔 サッカー覚書」(文藝春秋、共著)「 鉄人の思考法〜1980年生まれ、戦い続けるアスリート」(集英社)など。スポーツサイト「SPOAL(スポール)」編集長。

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