「#2021のヒーロー」は誰だ? Jリーグ推進委員会15メディアの一押し
アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)
アンドレス・イニエスタの説明はもはや不要だろう。繰り出される神技を今季もたくさん見たい。早期復帰が待たれる 【(C)J.LEAGUE】
Jリーグ4年目。言わずと知れた「足ワザ仙人」が日本でプレーしていることに、今一度注目するべきだろう。トップレベレルのプレーヤーたちも舌を巻く、トラップのうまさ。運ぶドリブルと突破のドリブルの絶妙な使い分け、いや、あれは運ぶと見せて実は突破しているマジックだ。そんなすてきなプレーを今季も数多く見たい。コンディションと周囲のサポートが整えば、見る者を唸(うな)らせるプレーがたくさん見られるはず。早くリハビリを終えて、ピッチに出てきてほしい。
オビ・パウエル・オビンナ(横浜F・マリノス)
昨季途中に復帰したオビ・パウエル・オビンナは印象的なプレーを披露。今季はさらなる飛躍が期待される 【(C)J.LEAGUE】
ピッチ全体を広く使う横浜FMでは、GKというポジションは攻守両面で極めて高いクオリティーが要求される。昨年10月末に期限付き移籍先の栃木から復帰したオビ・パウエル・オビンナは、そこからJ1リーグ戦で2試合に出場し、PKをストップするなど印象的なパフォーマンスを披露した。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)にも4試合出場。
新シーズンから守護神を務めるにあたっては、引き続きゴール前での奮闘、フィード精度の高さを生かした攻撃への貢献が求められる。大卒1年目だった昨季について、当人は精神的な未熟さや技術的なミスを反省点に挙げているが、ポテンシャルは間違いなく高く、チームが期待する水準に応えていくことで劇的な成長も期待できる。
谷晃生(湘南ベルマーレ)
湘南の若き新守護神・谷晃生。セービング技術、ハイボールの対応などに優れた総合力の高いGKだ 【(C)J.LEAGUE】
昨シーズン、ジュニアユース時代より所属するG大阪から湘南に期限付き移籍し、自身初となるレギュラーでJ1を1シーズン戦う中で自信をつけた印象。インタビューで谷選手本人が答えているが、メンタルコントロール術を習得したことによって、昨シーズン以上に安定感のあるプレーを披露してくれるはず。もともとの強みであるシュートストップやハイボールへの対応に加え、ビルドアップやキックの精度向上にも今シーズンは取り組んでいる。開催は不透明な状況ではあるが東京五輪での活躍も期待したい。(フットボリスタ・Jリーグ担当)
荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)
かつてレジェンドが背負った「13」を受け継いだ荒木遼太郎。プロ2年目、本格的なブレークを期待したい 【(C)J.LEAGUE】
ルーキーイヤーの昨季は広島との開幕戦で早速Jデビュー。以降も途中出場をメインにリーグ戦26試合に出場し、2得点3アシストを記録した。物怖じしない強気な姿勢で果敢に切り込み、振りの速いシュートでネットに突き刺すのが荒木の真骨頂。特に第13節の名古屋戦で見せたゴールは圧巻だった。
本格ブレークが待たれるプロ2シーズン目、背番号「26」から柳沢敦や興梠慎三らレジェンドたちが背負った「13」を受け継ぐことに。クラブからの期待の大きさがうかがえる。土居聖真、和泉竜司、ファン・アラーノ、さらにアルトゥール・カイキが加入と中盤2列目は激戦区だが、そのポテンシャルの高さは一級品。2021シーズンの“ヒーロー候補”としてぜひ推薦したい。
小柏剛(北海道コンサドーレ札幌)
小柏剛は2020年の大学ナンバーワン選手との呼び声高い。北の大地で大きく化けるか。期待値の高いニューヒーロー候補だ 【(C)J.LEAGUE】
ヒーロー候補を挙げればきりがないので、勝手ながら『ニュー』ヒーローに絞って選ぶことにした。つまりは、ルーキー。川崎Fの橘田健人、浦和の伊藤敦樹、鹿島の林尚輝、横浜FMの樺山諒乃介、札幌の小柏剛、磐田の森岡陸などなど。Jの舞台で新しい風を起こしそうな選手たちが今季も目白押しだ。
その中で一人に絞るなら、小柏だ。上背はないものの、とにかく速い。裏への飛び出しとシュートセンスには目を見張る。昨季、特別指定選手としてすでにJのピッチを経験済みで、プロ1年目から活躍できるように研さんを積んできたとも聞く。チーム内の競争は激しいものの、5人交代枠の採用もあり、出場機会は十分にあるはずだ。ブレークを期待したい。
明本考浩(浦和レッズ)
J2の突貫小僧がJ1に殴り込みをかける。臆することなく持ち味を発揮できれば、浦和でも面白い存在になるだろう 【(C)J.LEAGUE】
昨今のトレンドといえば、J2からはい上がってきた新参者のブレークだ。今季の目玉はこの人かもしれない。走る、走る。とにかく走る。攻守の急先鋒(せんぽう)。恐るべきプレスマシンにして敵の防壁をくり抜く突貫小僧だ。プロ1年目の昨季は栃木の前線で大暴れ。その活躍を買われて、浦和に引き抜かれた。小柄だが接触に強く、肉弾戦を少しも苦にしないのは大きな強み。適所は右の翼かトップ下だが、必要ならスピアヘッドもこなす汎用型だけに重宝されやすい。しかも、ギラギラした野心と勝負度胸は折り紙付き。J1の猛者たちにも臆せず挑むはずだ。立身伝シーズン2(第二章)をとくとご覧あれ。
ディサロ燦シルヴァーノ(清水エスパルス)
ディサロ燦シルヴァーノは昨季J2得点ランキング2位の実力者。鋭い飛び出し、強烈な左足シュートを武器にJ1に挑む 【(C)J.LEAGUE】
大卒1年目の19年にJ3で7ゴールを挙げ北九州の昇格に貢献すると、昨季はJ2で得点ランク2位18ゴール。名伯楽の小林伸二監督の下で着実に成長を遂げ、J1へのステップアップを勝ち取ったブレーク候補だ。鋭い飛び出しと強烈な左足のシュートが魅力で、周囲とかみ合えば2ケタ得点も十分に可能性がある。手で口を覆うゴールパフォーマンス「レレマスク」にも注目だ。