やべっちスタジアムがいよいよスタート 矢部浩之が語る番組への思いとF.C.のこと
新番組を始めるにあたって矢部さんはまず、尽力してくれた方々と『やべっちF.C.』終了を惜しんでくれたファン・サポーター、選手たちに感謝した 【写真:Suguru SAITO/DAZN】
匂わせるどころか、そのままやで
ほんま恵まれてるな、と思いました。スタッフをはじめ、いろんな方々が動いてくれたおかげやと思うんですよね。だから、本当にありがたいなと。あと、『やべっちF.C.』が終わるとき、ファンやサポーター、選手も悲しんでくれたじゃないですか。あれも大きいと思っていて。僕は熱くなっても、頭はクールな方なんですけど、選手からのメッセージはジーンときましたね。「番組継続のために力になれることはありますか」って連絡をくれた選手もいて、ビックリしました。「こっちが楽しませてもらってたのに、そんなに思ってくれてたの?」って。
――『やべっちF.C.』は矢部さんが日本サッカーを応援したいということで、「日本サッカー応援宣言」と謳(うた)っていました。でも、いつの間にか、選手やサッカーファンから応援される番組になっていたんですね。
本当にありがたいですよね。プロになる前から『やべっちF.C.』を見てて、出るのが目標やったという選手もおるし。なでしこの皆さんもメッセージをくれましたし、ブラインドサッカーの選手も『やべっちF.C.』に出るのが夢だったので残念でした、ってTwitterに書いてくれてて。それを見て、家でポカーンとしました。「そんな番組になってたんか」と。男子もなでしこも、フットサル、ブラインドサッカー、ビーチサッカーも、サッカーファミリーみんなが楽しんでくれてたんやなって。だから、新番組が決まって、皆さんの期待に応えたいという気持ちも出てきました。
――新番組のタイトルに関しては、どんな印象ですか?
いや、あの、僕はしっくりきましたよ(笑)。新しく始めるにあたって、番組名は変えるのが筋やと思うし、でも、「やべっち」って付いているから、皆さんにとってもそんなに違和感はないと思うんですよね。
――「F.C.」って、チームじゃないですか。チームからスタジアムに変わって、大きくなったという印象を受けました。
だいぶデカなりましたね(笑)。チームの監督からクラブのオーナー、みたいな。ただ、僕は監督やオーナーというより、プレーヤーでありたい。プレーヤーとしてプロの選手たちと共演したい、絡みたい。そのスタンスは変わらないと思いますね。
――変わらない、ということで言えば、ロゴやワッペンはどう思いますか?
これはもう匂わせるどころか、そのままやでって(笑)。でも、いいと思います。『やべっちF.C.』を始めるとき、いろんなカラーパターンの中から、僕が「これがいい」と言うたんですよ。この配色には思い入れがあるし、『やべっちF.C.』を見てくれてた人もスッと入れるんじゃないですか。変にカッコつけたり、構えない方がいいかなって。すごく気に入ってますね。
あんな俊輔、もう見られへん
水色とオレンジの配色は『やべっちF.C.』スタート時に矢部さんが自ら選んだものだという。新番組のロゴにも同じ配色が使用された 【飯尾篤史】
おぉ、「ハーイ!やべっち」が上位に入ってるのはうれしいなぁ。チェアマンや会長が「ハーイ!やべっち」をやってくれたんがデカいと思いますね。「フリーキック研究所」とか、懐かしいし、「ガチンコフットサル」や「宿題」が上位にあんのもうれしい。「おかっちF.C.」も入ってる! ちっちゃいおっさん、喜ぶやろな(笑)。
どれも思い出深いですけどねぇ。やっぱり、(中村)俊輔との「フリーキック対決」ですかね。まぐれで勝って、あのときはテンション上がったな。一番はしゃいだかもしれへん(笑)。俊輔と言えば、「デジっち」も衝撃でしたね。よくやったなと。もう川又(堅碁)様様ですよ。当時、監督が(やべっちF.C.の解説者だった)名波(浩)でしたから、『やべっちF.C.』の空気を(ジュビロ)磐田に持ちこんでくれたんやろなとも思ったり。あんな俊輔、もう見られへんと思うしね(笑)。
――「デジっちが行く!」は、各チームが競い合っていましたね。
サッカーの素材がないオフシーズンに、うまいことハマりましたね。選手があれだけ頑張ってくれるとは思ってなかったんですよね。選手の素顔やチームの裏側が見られたら、くらいの企画やったんですけど。選手がどんどん工夫して、面白くしてくれた。あと、小野伸二とかのゴールデンエイジも印象深いですね。「フットサル対決」とか、「なべっち」とか、出てくれて。特に高原(直泰)ね。もともと「俺、サッカーだけするんすよ」っていうスタンスで、しゃべらん子なんですけど、『やべっちF.C.』に出たら、すごくしゃべってくれて、よく笑うし、笑顔もかわいい。高原って、こんな子やったんやって。その後、高原は「一番仲良いタレントさんは矢部さんです」と言ってくれるようになって。他の選手もそうですけど、『やべっちF.C.』に来たら、リラックスして楽しんでくれたのはうれしかったですね。スタッフのおかげなんですけど。