連載:ドラフト最前線! 敏腕スカウトによる高校球児の評価

井上朋也をはじめ逸材がそろう高校生打者 スカウトが熱視線を送るスラッガーは?

瀬川ふみ子
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花咲徳栄では1年時春からベンチ入りし、早々に7番・右翼手として定位置を掴んだ井上。東日本の野手の中では両スカウトからも高評価のようだ 【写真は共同】

 プロを目指す高校球児たちは、前代未聞のシーズンを過ごしている。苦境に直面しながらも、上の世界を見据えて自己鍛錬に励んでいる。そんな高校生ドラフト候補を、今まで何人もの“ダイヤの原石”を発掘したプロのスカウトはどのように評価しているのか。敏腕として鳴らす、広島東洋カープのスカウト統括部長・苑田聡彦氏と、中日ドラゴンズのアマスカウトチーフ・米村明氏がたっぷりと語ってくれた。

 第5回は、「東日本野手」編。世代を代表するスラッガー・井上朋也(花咲徳栄)を筆頭に、中学時代から注目を集めていた東海大相模の山村崇嘉、西川僚祐の大砲2トップなど強打者が顔を並べる。そんなパワー自慢の高校生打者をプロの敏腕スカウトはどう見ているのか。ほかにも、苑田、米村両スカウトが熱視線を送る逸材の能力について分析してもらった。

井上朋也(花咲徳栄/180cm、81kg、右右)

苑田スカウト「パワー、足、肩があり高評価」

 昨年から見てきましたが、パワーがありますね。長距離砲というよりは、中距離的なバッター。パンチ力もあって遠くに飛ばせる力があります。加えて足もあるし肩もある。サードをやっていますが、花咲徳栄の2つ上の先輩、野村佑希選手(北海道日本ハム)を彷彿させるものはあります。東日本の野手の中では高評価をつけていますので、これからも見ていこうと思います。

米村スカウト「右の長距離砲として期待」

 飛ばす能力の高い選手ですね。オープン戦で見たとき、1、2打席は良くなかったのですが、3打席目の初球を場外本塁打。最近見た中では一番飛んでいましたね。バットコントロールはまだまだ未熟さがありますが、右の長距離砲として期待できる選手です。サードを主にやっていますが、甲子園でも三塁線の打球をバチッとしっかり捕っていましたし、サード以外にファースト、外野もできる。肩も強い。素質があって、面白みのある選手です。

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