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合同練習会はNPBスカウトにも好評
“当落線上”の選手が素材の良さ見せる
初の試みとなった合同練習会。ドラフト有力候補の中山、土田(写真右から)が実力を発揮する一方で、“当落線上”に位置する選手たちの躍動も目立った
初の試みとなった合同練習会。ドラフト有力候補の中山、土田(写真右から)が実力を発揮する一方で、“当落線上”に位置する選手たちの躍動も目立った【写真は共同】

 8月29、30日に、甲子園球場で「プロ志望高校生合同練習会」が行われた。


 これは新型コロナウイルスの影響で各種大会が中止となり、実力をアピールする機会を失った選手を救済するために行われた初の試み。プロ入りを目指す77人の高校生のプレーに、NPBスカウトや大学・社会人・独立リーグの関係者ら約100人が連日スタンドから熱視線を送った。

 参加した高校生の中には、「思い切ってやるところを1番見てほしかったので、そこはアピールできたかな。木製バットの対応にも自信がありました」と話す中山礼都(中京大中京)や、「自分の持ち味である守備をアピールできた。挑戦して少しでも評価が上がり、順位が少しでも上がればいいな」と振り返る土田龍空(近江)など有力選手もいたが、全体的には、プロ入りが確実視されるよりも、地元では名の通った選手ながらドラフト指名を受けるかどうかは当落線上の実力を持つ選手が多かった。

1人だけプロレベルの強肩示した外野手

 1日目はフリー打撃で柵越えを放った寺本聖一(広島商)誉田貴之(福岡工大城東)、力強い打球を飛ばしていた西原凜(開星)和田捷吾(わだ・しょうご/南筑)が打撃でアピール。シートノックでは高い守備力を誇る中山と土田の遊撃手2人がさすがのフィールディングを見せ、捕手の二塁送球では釣寿生(京都国際)の地肩の強さが光った。


 なかでも素材の良さを感じさせたのが、中堅手の西川拓馬(柳ヶ浦)。マウンドに上がれば140キロ超のストレートを投げ込む強肩から繰り出す送球の強さは群を抜いていた。世代トップクラスの選手が集っていると言っても、外野からのバックホームで他の選手の送球は“高校生のもの”だったが、1人だけプロレベルの強い送球を披露した。


 2日目はシートノックの後、シート打撃が行われた。カウント1-1から投手は5人の打者と対戦し、打者は3打席に立った。


 投手で最大の注目だった山下舜平大(福岡大大濠)は、投球練習から140キロ台後半のストレートを連発し最速は150キロを計測。入りや決め球にカーブを使う組み立てで3つの三振を奪い、うわさに違わぬ実力を披露した。


「真っすぐも見てもらいたかったですし、カーブの使い方も見てもらいたかった。三振はカーブに助けられて取れました。真っすぐとカーブを軸にしながら、いろいろな良い先輩方から吸収して、上のレベルで勝負していきたい」


 もう1人の注目投手、加藤翼(帝京可児)もノビ、キレともに抜群の快速球で猛アピール。突如降った強い雨の影響で室内練習場での登板となったが、「真っすぐだけは誰に負けないつもりで3年間やってきました。『ここに来る以上は自信のある球で』と思っていました。(雨で登板時間がズレて)調整は難しい中でしたけど、しっかり投げられたので自分としては良かったと思います」と充実感をにじませた。


 身長169センチと小柄ながらパンチ力を秘める左打者の寺本は、逆方向の左中間を破る力強さと、変化球を拾ってセンター前に運ぶうまさを披露。


「自分の力を発揮でき、プロのスカウトの方に良いアピールができたと思います。シート打撃で1打席目は打った後、一塁へ走るのを忘れるくらい集中していました」

来年以降も「継続できるよう協力」

西日本地区は聖地・甲子園で行われ、連日スカウトの熱い視線が注がれた。東日本地区は9月5、6日に東京ドームで行われる予定。普段高校野球が行われないドームでどうなるのか、楽しみにしたい
西日本地区は聖地・甲子園で行われ、連日スカウトの熱い視線が注がれた。東日本地区は9月5、6日に東京ドームで行われる予定。普段高校野球が行われないドームでどうなるのか、楽しみにしたい【写真は共同】

 他にも、漁府輝羽(おかやま山陽)はレフトフェンス直撃の二塁打をマーク。脚力がありシャープなスイングを見せていた漆原幻汰(豊川)、ストライクを取ることに苦労せず3奪三振と結果を残した松木平優太(精華)らは力強さが増せば面白い存在。視察に訪れたスカウトからも「新たな選手を発掘できた」と好評で、「こういう形で開催出来たことは、われわれにとっても良かった。もし可能であるならば、来年以降もできれば埋もれている選手にチャンスが生まれるので、継続できるよう協力したい」という。


 この日をきっかけに指名される、指名順位が上がる選手が1人でもいれば、プロ・高校生の双方にとってメリットが大きい。9月5、6日には東日本会場として東京ドームでも合同練習会が開催の予定。今回の西日本同様、熱いアピール合戦が期待される。


(取材・文:小中翔太/ベースボール・タイムズ)

ベースボール・タイムズ
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プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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