全世界注目、マウントのFKは何が違う? ロナウド級の技術を持つチェルシーの新星

エルゴラッソ

プレミアリーグ最終節で直接フリーキックを決めたメイソン・マウント(右)。この若き逸材に来季も注目が高まる 【Getty Images】

 プレミアリーグ最終節、チェルシー対ウルヴァーハンプトン戦で決まったイングランド代表MFメイソン・マウントの直接FKからのゴールが全世界から注目を集めている。

 思い返すとそもそもこの試合は大一番だった。2019-20シーズンのチェルシーは第37節終了時点で4位。3位のマンチェスター・ユナイテッドとは勝ち点は同じ63だったが、得失点差では大きく引き離されている。ユナイテッドより上の順位で終えることは難しい状況だった。それどころか5位のレスター・シティとは勝ち点1差であり、最終節の結果次第では収益面でも大きく影響するチャンピオンズリーグの出場権を逃すことを意味する5位転落の可能性もあった。だからこそ6位につける難敵ウルブズ相手とはいえ、絶対に負けられない、いや勝たなくてはならない試合だったのだ。

話題のゴール

 そんな重要な一戦、スコアレスで迎えた前半46分、試合の均衡を破る非常に重要なゴールを決めたのがマウントだった。
 スピードもコースも良い素晴らしいゴールで、この先制点が決勝点となり、チームは2-0で勝利。英メディア『テレグラフ』によると、チャンピオンズリーグ出場権を得て収益増を確定したチェルシーは、結果的に補強費を5000万ポンド(約68億円)もの上乗せにも成功することになる。このゴールの重要性を聞けば、確かに話題になるのも分からなくもないが、「全世界で話題になるほどか?」という印象を抱く読者もいるかもしれない。そう、実はこのゴール、単体で見ると、「価値のある、普通に良いゴール」だが、とある非常に似ているもう一つのゴールシーンを見ると意味合いが変わってくる。
 勘のいい読者はもう気づいているのかもしれない。実は2つ目のゴールを決めているのは幼少期のマウント少年なのである。このゴールを蹴る直前に少年は「クリスティアーノ・ロナウドのフリーキックを再現するよ。ボールの芯をとらえて蹴るだけ。トップコーナー。角に決めてみせるよ」と語り、華麗な弧を描いてゴール左隅に決めているが、当時から得意なコースだったようだ。余談だが、見事ゴールを決めたマウント少年のもとへ一目散に駆け寄る背の高い選手が、現在同じチェルシーで活躍するイングランド代表FWタミー・アブラハムだとも言われている。

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著者プロフィール

サッカー新聞エル・ゴラッソ。通称エルゴラ。国内外の最新サッカーニュースを日本代表の番記者、J1・J2全40クラブの番記者、海外在住記者が、独自の現地取材をもとに、いち早くお届けします。

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