全世界注目、マウントのFKは何が違う? ロナウド級の技術を持つチェルシーの新星
改めて振り返る今季のメイソン・マウント
2019年7月4日にチェルシーの監督に就任したフランク・ランパード氏(右)。彼もまたチェルシーFC歴代最多得点記録の保持者というレジェンドの一人。 【写真:ロイター/アフロ】
あらためてマウントのキャリアを振り返ると、6歳の頃からチェルシーのアカデミーに所属するイングランド人は、2017-18シーズンに、ローン先であるオランダのフィテッセでプロデビューを果たした。異国の修行先で、リーグ戦29試合出場8ゴール9アシスト記録するなど活躍したマウントは、翌2018-19シーズンにはイングランド2部ダービー・カウンティにローン移籍することになる。この移籍が彼のキャリアに大きく影響を及ぼすことになる。
チェルシーのOBであり、現在監督を務めるフランク・ランパードの指揮下で1年間プレーできたのだ。偉大なレジェンドと同じトップ下でプレーしたマウントは、英2部の舞台でも躍動し、リーグ戦35試合に出場し8ゴール5アシストを記録。昨夏のランパード監督の古巣復帰と共に、チェルシーでのトップチーム定着を果たした。
来季はさらに有力選手たちが加入するチェルシー。磨き上げてきた「FKからの得点」を武器にマウントはどこまで存在感を見せつけられるか 【Getty Images】
実際リーグ戦での第2節ホームのレスター戦では、早々にプレミアリーグ初ゴールを決めるなど結果を残したが、時間が経つにつれゴール前以外の局面で試合から消えてしまう課題も露呈。最終的にリーグ37試合出場7ゴール5アシストを記録しており、プレミアリーグ初挑戦にしては上出来だったのだが、攻撃面での貢献に関して若干の物足りなさを感じたファンも多かったようだ。
しかも来季からアヤックスのモロッコ代表MFハキム・ツィエクや、ライプツィヒのドイツ代表FWティモ・ヴェルナーなど、ワールドクラスの選手たちの加入が次々と確定。2列目のレギュラー争いが劇化することは明白だった。
クラブの生え抜きの選手にとって苦しい状況が目の前に迫っていることが分かってきた状況だからこそ、このゴールを決めた意味合いも大きい。
いくらランパード監督からの信頼が厚いとはいえ、来季の強力なスカッドでは、マウントにスタメンが確約されているとは思えない。しかし幼少期から磨きをかけてきた「FKからの得点」という新たな武器とともに、自身のポジションを守れるかどうかに注目である。