波乱に始まり歓喜に終わった岡崎慎司の1年 スペインで取り戻した点取り屋の感覚
ひときわ輝きを放ったリーグ終盤戦
最終節では芸術的なヒールでのゴラッソを決めるなど、岡崎(中央)は37試合で12ゴールをマークしている 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
そして、今季のハイライトとも言えるのが第41節のヌマンシア戦だ。この試合に勝てば最終節を残して2位以上が確定し、昇格が決まるという重要な一戦でまたしても岡崎は魅せる。2-0とウエスカがリードしている中で迎えた78分、右サイドの同僚FWラファ・ミルからのグラウンダーのクロスを鮮やかなバックヒールで流し込むゴラッソを決め、クラブの昇格を決定づけた。試合はそのまま3-0で勝利しウエスカ2度目の1部昇格が決定したのだ。こうして岡崎は自身が掲げた目標を1年で達成することとなった。
リーグ最終節も、昇格を決めたウエスカはその勢いのまま1-0で勝利を飾る。すると、なんと首位のカディスが0-1で敗戦したことで、ウエスカは最終節で勝ち点2差をひっくり返して大逆転での2部優勝が決まるという、劇的なクライマックスで今シーズンを締めくくることとなった。
この印象的な優勝劇に、岡崎の古巣レスターも公式Twitterで反応し、岡崎とウエスカの活躍を祝福している。
こうして点取り屋としての感覚を再び取り戻した岡崎は、昇格決定後のインタビューで来季への意気込みを、「自分が2部に来てでも1部でやりたいという夢がこれで叶ったので、来シーズンはビッグクラブがひしめく1部の舞台で、ウエスカ初の残留を果たすために自分がゴールをとってチーム貢献できるように頑張りたい」と語っている。
33歳という年齢で新たな地へ降り立ち、苦悩しながらいくつもの壁を乗り越え、自身の活躍でつかみ取った悲願の一部昇格。来シーズンはクラブ史上初の一部残留へ向けて、自身の夢の舞台と語るラ・リーガで躍動する“点取り屋”岡崎の姿に期待したい。