2020年Jリーグ新人・若手の活躍は? “久保世代”も続々スタメンに定着
苦境に直面も結果を出したA代表経験者の上田綺世
それでも12日の湘南ベルマーレ戦では3バックの中央に陣取る形で先発フル出場。白星こそ手にできなかったが、相手を零封し、「監督からも『自信を持って、慌てずやればいい』と声をかけてもらっていたので、自信を持ってできたかなと思う」とようやく手ごたえをつかんだ。さらに18日のベガルタ仙台戦ではプロ入り初ゴールをゲット。着実に状態は上向いている。ここからが本当の勝負と言っていい。
同じA代表経験者である上田綺世(鹿島)も苦境に直面した。再開2戦は出場機会がなく、3戦目の浦和レッズ戦でやっと23分間ピッチに立ったものの、彼自身ノーゴールで、鹿島自体も最下位と足踏み状態を強いられた。「今の鹿島は成功体験が必要。1つ勝てれば勢いも生まれるし、自信にもつながる。自分がそこに貢献できる存在になりたい」と中断期間にも語っていただけに、焦燥感や悔しさも覚えたことだろう。その思いを今季初先発となった18日の横浜F・マリノス戦で爆発させ、ついに2ゴールを奪い、ザーゴ新監督体制初白星の原動力となった。エヴェラウドや伊藤翔らとのポジション争いはこの先も厳しいが、得点を奪い続けることで、未来は開けてくるはず。これを機に、一気に存在感を高めてほしいものである。
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衝撃デビューの櫻川ソロモン
センセーショナルなデビューを飾ったジェフ千葉の櫻川ソロモン。高さと強さを兼ね備えた1トップもこなせる選手 【(C)J.LEAGUE】
尹晶煥監督は鳥栖時代に豊田陽平、セレッソ大阪時代に杉本健勇(現浦和)を1トップに固定させた通り、競り合いに強い長身FWを最前線に据えるのを好む。今回の活躍で櫻川に同じような役割を与える可能性も高まったのだ。日本サッカー界には彼のような高さと強さと鋭さを持ち合わせた1トップが少なかっただけに、このままブレークしてくれれば朗報だろう。
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FC東京U-18から明治大学時代にかけて長く一緒にプレーした安部に「亮の2得点は刺激になりますし、自分も結果を出さないといけない」と言わしめるほどのインパクトをもたらした。今季セレッソ大阪で活躍中の坂元達裕のように1年でJ2からJ1に“個人昇格”する選手もおり、彼らのモチベーションも高いはず。そういう逸材をJ2・J3で見つけるのもまた一興だ。
新型コロナウイルス感染拡大によってイレギュラーな形が続く今季Jリーグだが、ピンチをチャンスに変えられる選手がブレークできるはず。そういうタフさと泥臭さを前面に押し出し、Jリーグのスターダムにのし上がるのは一体誰なのか。東京五輪代表争いを含めて、新人たちの一挙手一投足をより一層、興味深く見極めていきたい。