U18日清食品 九州ブロックリーグ2024 女子 レポート 小川佳凛「チームを引っ張るというより支えていくつもり」県立長崎西(長崎県)
【©U18日清食品リーグ】
それでも長崎西にとっては多くの収穫と気付きを得た試合となりました。2年生の4人はもともと主力だったため、試合経験は豊富です。しかし、「今までは3年生がゲームを組み立ててくれていたから2年生は自由にプレーできていました。今はそこが抜けたので、大変なことになっています」と田中佐和子ヘッドコーチは言います。
これまでの長崎西は3年生のゲームメークによって、2年生たちが気持ち良くシュートを放つ、3ポイントシュート主体で攻めるチームでした。その結果、年間を通して3ポイントシュート成功率は平均35%以上と高確率でしたが、これからは2年生が自分たちでチャンスを作り、シュートまでもっていかなければいけません。そのため、田中ヘッドコーチがこの試合でテーマとしたのは「遠くからでもとにかくシュートを打つこと。チャレンジすること」でした。
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長崎西は3年連続でインターハイに出場しており、県内では常勝チームですが、全国レベルになるとなかなか勝てません。田中ヘッドコーチも「県内ではシュートを打てても精華女子が相手だと全然違います」と言います。「このレベルで必要なパスの強さやテンポを選手たちが理解してくれました。私たちのような田舎のチームにとって、こういった会場で試合ができるのはとても良い経験になります」
それでも試合は大差で負ける展開で、気落ちしてもおかしくありませんでしたが、長崎西の選手は誰一人として下を向かずにチャレンジし続けました。田中ヘッドコーチは言います。「今日の前半で下を向かなかったから、少しずつですが点数を取れるようになりました。選手たち自身が『何が足りないのか』を一つずつ探して意識できるチームになってきました」
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長崎西はバスケの古豪としてだけでなく、公立校では県内で偏差値が最も高い進学校としても知られています。小川選手も勉強とバスケの両立を「大変です」と率直に明かしながらも、長崎西でバスケをすることに強い思いを抱いています。「私はバスケを始めた小学校3年生の時からずっと『西高でバスケをしたい』と思っていました。西高に入るには勉強を頑張らないといけないので、バスケを始めた頃から勉強もずっと頑張ってきました」
あこがれのチームだからこそ、最後まで自分のバスケをやりきりたいと小川選手は考えています。「今まで自分が経験してきたことをチームに還元したいので、チームを引っ張るというより支えていくつもりです。個人的には、後悔がないプレーをし続けて、しっかりやりきりたいです」
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