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熊本、富山、藤枝、長野が本命か!?
番記者によるJ3展望座談会【前編】

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石崎信弘監督率いる藤枝の前線に君臨する森島康仁。昨季は16ゴールを奪い、格の違いを見せつけた
石崎信弘監督率いる藤枝の前線に君臨する森島康仁。昨季は16ゴールを奪い、格の違いを見せつけた【(C)J.LEAGUE】

 6月27日に今季のJ3リーグがいよいよ開幕する。J2から降格した鹿児島ユナイテッドFCとFC岐阜、JFLから昇格したFC今治を迎え、18チームによって争われる。今季も大混戦が予想される「戦国J3」のパワーバランスはどうなっているのか。日頃からJ3を取材する3人のライター、ロアッソ熊本に密着する井芹貴志氏、福島ユナイテッドFCを追いかける小林健志氏、SC相模原のオフィシャルライターを務める北健一郎氏に語り合ってもらった。

接近・展開・連続……ではない?

昨季6月に岐阜の監督を解任された大木武監督は今季、熊本の指揮官に就任し、リベンジを誓う(写真は岐阜時代のもの)
昨季6月に岐阜の監督を解任された大木武監督は今季、熊本の指揮官に就任し、リベンジを誓う(写真は岐阜時代のもの)【(C)J.LEAGUE】

――6月27日にいよいよJ3が開幕します。そこで普段からJ3のチームを定点観測されているお三方に、今季のリーグ戦の行方を占っていただきたいと思います。まずはご自身が取材されているチームの今季の展望について聞かせてください。


井芹(ロアッソ熊本担当) 熊本(昨季5位)は去年、初めてJ3を戦いましたけど、1年でのJ2復帰を達成できなかったので、大木武監督を新たに招へいして、チームを作り直しているところです。ただ、渋谷洋樹前監督のやってきたことを全否定するわけではなく、そこに上積みするという狙いが強化部にはあります。大木さんは京都サンガF.C.やFC岐阜でスタイルを築いた方。若手育成にも定評があるので、そうした実績を評価したうえでの招へいだったと思います。


 渋谷さんやその前の清川浩行さんは選手たちの兄貴的な存在だったんですけど、今季は選手層が若返ったこともあって、大木さんは父親的な厳しさがトレーニングから感じられますね。今年も大卒ルーキーの4人がスタメン争いに絡んできそうですし、去年とは違うチームになるのは間違いないと思います。


北(SC相模原担当) 大木さんというと、日本代表コーチ時代や京都時代の「接近・展開・連続」のイメージが強いですが、熊本でも狭い局面を打開していくようなスタイルを植え付けているんですか?


井芹 ボールに対するサポートの意識は植え付けていても、密集を作ってショートパスをつないで、というスタイルは熊本ではやってないですね。大木さんは昨季途中に岐阜の監督を解任されたんですが、熊本の監督就任が決まるまでの間は大学で指導したり、なぜ岐阜でうまくいかなかったのかを考えて、新しいものを取り入れることも考えていた、とおっしゃっていました。これまでの大木さんのイメージとは違うサッカーをやろうとしているようです。「また見たいと思ってもらえる、動きのあるサッカーをやりたい」と言われていますね。


小林(福島ユナイテッドFC担当) 福島(同11位)は松田岳夫監督が2年目を迎えるので、継続路線です。就任1年目の昨年は、ショートパスをつないで攻撃的に試合を進めていくポゼッションスタイルが夏あたりから形になってきて、中位で終わることができました。ただ、今オフに主力選手4人が抜けてしまって。GK堀田大暉がJ1の湘南ベルマーレに、左サイドバックの星広太が相模原(同15位)に、右サイドバックの輪笠祐士がブラウブリッツ秋田(同8位)に移籍。さらに痛かったのが、昨年15得点をマークした得点源の武颯がカターレ富山(同4位)に移籍したこと。彼らの穴をどう埋めていくかが今年のテーマだと思います。


 多くの方がご存じないと思うんですけど、福島は日本でも有数の「偽サイドバック」の使い手なんですよね。言うなれば、「日本のバイエルン」。


小林 松田さんの前の田坂和昭さん(現栃木SC監督)がやり始めたんです。


 その「偽サイドバック」のキーマンが輪笠と星だったんですよね。ふたりがインサイドに入ってきてゲームメイクをするのが福島のストロングポイントだった。その象徴的な存在が引き抜かれてしまったんだから、大変だと思います。資金に恵まれていないチームって、選手が少しでも目立った活躍をすると、すぐに引き抜かれてしまうんですよね。星を引き抜いておいて、こう言うのもなんですけど(笑)。


小林 おっしゃるとおりで、彼らが攻撃の肝だったのでキツい。ただ、福島はJ2ライセンスを持っていないので、選手たちがステップアップして行くことを歓迎するスタンスなんです。そのために、選手を育てていこうと。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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