連載:再開J2、開幕J3を徹底的に語り尽くす!

フベロ体制2年目の磐田は「継続」がテーマ 1年でのJ1返り咲きは名門復活の第一歩だ

望月文夫
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昨夏にレンタル移籍したJ2水戸で17試合・7ゴール、磐田での今季開幕戦でも2ゴールの活躍。ついに本格化した東京五輪のエース候補・小川航基が、J1復帰の最大のキーマンだ 【(C)J.LEAGUE】

 序盤戦から低空飛行を続け、あえなくJ2降格となった昨季のジュビロ磐田だが、数少ないポジティブな話題が、シーズン4人目の指揮官、フェルナンド・フベロ監督の存在だった。結局、残留はならなかったものの、このスペイン人監督の下でチーム状態が劇的に改善されたのは間違いない。就任2年目の今季も、「継続」をテーマに昨季終盤戦のサッカーをブラッシュアップ。レンタルバックで「9番」を託された小川航基の成長も頼もしく、戦力的にはJ2トップクラスと言っていい。1年でのJ1返り咲きは、名門復活を掲げる磐田にとって、目標というよりノルマだ。

残留に一縷の望みを託されたフベロ監督

 J1で3度の年間優勝を誇る名門ジュビロ磐田が、クラブ史上2度目のJ2降格となった昨季の屈辱を晴らすべく、新たなシーズンに臨んでいる。

 2月の開幕戦では、ホームでモンテディオ山形に2-0で快勝。その後、新型コロナウイルスの感染拡大によってリーグは長い中断期間に入り、勢いに水を差されてしまったが、それでも1年でのJ1復帰へ、ファンとサポ―ターの期待は変わらず大きなままだ。

 チームをけん引するのは、昨季終盤に就任したスペイン人のフェルナンド・フベロ監督だ。序盤戦から低迷を続け、監督交代を繰り返した昨季の磐田が迎え入れた、シーズン4人目の指揮官である(編注:3人目の小林稔氏は監督代行)。

 最下位に沈んでいた23節終了後の就任で、周囲からは「すでに手遅れだ」という冷ややかな声も聞こえてきた。しかし、クラブ幹部は「外国人監督のパワーでチームを引っ張ってほしい」と、逆転でのJ1残留に一縷(いちる)の望みを託し、そして南米パラグアイの1部リーグで指揮を執り、ステージ優勝を飾った実績もある新監督も、「もちろん(残留させる)自信はある」と、短期間での立て直しに強い意欲をのぞかせていた。

今野も歓迎したハードトレーニング

昨年8月に就任し、チームを上昇気流に乗せたフベロ監督。J2を舞台に戦う2年目の今季は、攻守の切り替えが早く、シンプルにサイドを突くスタイルの完成度を高めたい 【(C)J.LEAGUE】

 就任初日から練習場に立ったフベロ監督は、まずトレーニングメニューを大きく変えた。
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著者プロフィール

1958年生まれ。ランニング、サッカー等の専門誌で編集記者。その後フリーとなり、陸上、サッカー、バレーボールを中心に専門誌等に執筆。

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