連載:再開J2、開幕J3を徹底的に語り尽くす!

J2フリーク平畠啓史&土屋雅史が選ぶ 今季注目の「J2こだわりのイレブン」

飯尾篤史
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平畠氏(左)と土屋氏によるマニアックで熱く、裏話満載のJ2プレーヤートークをお届けする 【飯尾篤史】

 2月23日の開幕戦以降、長らく中断していたJ2が6月27日にいよいよ再開する。若手からベテランまでさまざまなストーリーを持つ選手たちがJ1昇格を目指して繰り広げる熱いバトル。そこで今回は、業界きってのJ2フリークであるタレントの平畠啓史氏と土屋雅史氏(ジェイ・スポーツ)に今シーズン注目の「J2こだわりのイレブン」を選出してもらった。行間ににじみ出るJ2愛を思う存分堪能してほしい。

スポーツナビアプリでは平畠氏と土屋氏が選んだそれぞれのイレブンをフォーメーション付きで解説

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奥さんがきれいすぎて、ちょっと嫌い

――J2フリークのおふたりに今季注目の「J2こだわりのイレブン」を選んでいただきました。では、さっそくGKから紹介してください。

平畠 僕は、アビスパ福岡のセランテスですね。去年もチームが苦しむ中で41試合に出場して、存在感がすごくあった。今、スペイン人選手がJリーグに結構来ていて、その代表格がイニエスタなんですけど、スペイン人選手はJ2にもいる、しかもGKがいるっていうことを知ってもらいたくて。いろんな外国籍選手がいるけれど、スペイン人って真面目なんかなっていう気がしてて。

土屋 それ、すごく思いますね。FC岐阜にいたビクトル(現SC相模原)も真面目な選手でしたもんね。

平畠 セランテスも日本語を勉強したり、日本食を積極的に食べに行ったりしていて、好感が持てる。バスク出身なんだけど、バスクと言えばGKでしょ、みたいなところもあって、僕はセランテスを選びました。先日、アスレティック・ビルバオがセランテス獲得に動く、というような記事が出たんやけど、「いや、俺は帰んねぇよ」みたいな。サポーターにとって応援しがいのあるGKだなという気がしますね。

――なるほど。では、土屋さんのセレクトは誰ですか?

土屋 僕はFC町田ゼルビアの秋元陽太選手です。

平畠 ああ、僕もそこ、悩んだな。

土屋 実力は間違いなくJ1レベルですから。湘南ベルマーレのイメージが強いですけど、そもそも彼は町田出身で、野津田のスタジアム(町田GIONスタジアム)に近い野津田高校の出身。だから、もしかしたら、いつかゼルビアでやりたいっていう気持ちがあったかもしれない。秋元選手って、風貌がいかついんですけど、めちゃくちゃいい人(笑)。声もどちらかと言うと小さくて、娘さん大好き。プレースタイルと普段のギャップも含めて、面白いなと。開幕戦でもかなり活躍しましたしね。

平畠 あと、僕は毎回言うんですけど、奥さんがきれいで(笑)。

土屋 ちょっと悔しくなるパターンですよね(笑)。

平畠 奥さん、きれいすぎるんで、秋元選手のことがちょっと嫌いになりましたって、本人に言いましたから(笑)。でも、そのギャップがいいよね。闘志むき出しの感じと、普段の優しい感じが僕も好きです。

10%増しくらいで返してくれる

平畠氏が推す徳元は推進力が高く、積極的に攻撃に関わるレフティだ。「J1でもやれる」と平畠氏は力を込める 【(C)J.LEAGUE】

――では、続いてDFにいきましょう。平畠さんは3バックですか、4バックですか?

平畠 システムは4-4-2なので、4バックです。じゃあ、右から行きましょうか。右サイドバックはFC琉球のフェリペ・タヴァレス。センターバックは東京ヴェルディの山本理仁と町田の水本裕貴。左サイドバックがファジアーノ岡山の徳元悠平です。

土屋 フェリペ・タヴァレスは僕も選びました。開幕戦でめちゃ良かったですもんね。

平畠 エウシーニョ(清水エスパルス)に近いなって。ゴリゴリ行くんじゃなく、クレバー感がすごくある。右サイドでポイントが作れるし、いろんなことができるんやろうなと。

土屋 クロスのバリエーションも多いんですよね。えぐってマイナスの折り返しもあれば、アーリー気味にストレート系のいいボールも蹴れる。ヘディングも一度クロスバーにぶつけましたしね。スケールがでかい感じがしました。

――センターバックに関してはどうですか?

平畠 山本理仁はボランチとかアンカーが一番良いんでしょうけど、そこに入れたい選手が他にいまして(笑)。彼はセンターバックとしても試合に出ているので。まだ18歳なんだけど、周りが見えて、落ち着いてプレーできて、スケール感もある。将来、日本代表の中盤で見たいなと。

土屋 実は僕は、中盤で入れています。

平畠 やっぱり。J2を語るうえで今、外せない選手だよね。水本選手に関しては、この選手を獲得したことに、町田の本気度が感じられた。まだまだJ1でプレーできる選手にキャプテンマークを託し、一緒にJ1を目指そうとしているんやろうなと。

土屋 深津康太とコンビ組んでいるのも、またいいですよね。

平畠 だから町田は、中盤から後ろは秋元を含めて経験のある選手がそろっていて、彼らが前線の若くて面白いタレントを支えている。そういう構図もいいなって思いますね。

――左サイドバックは今季、琉球から岡山に移籍した徳元選手ですね。

平畠 僕は彼のことをJ3時代から見てますけど、左サイドバックとしてかなりのレベルやなと。去年はチーム戦術の関係で、攻撃に出る回数がちょっと減りましたけど、精度の高いクロスをバンバン入れるし、クロスにスピードがあるから、ゴール前でスリリングなシーンを作れるんです。海外からオファーが来ているようなニュースも出ましたよね。もっと上のカテゴリーでやれるんじゃないかと思っています。

土屋 琉球時代、播戸竜二くんが点を取ったあと、一緒にカチャーシーを踊るのは、だいたい徳元選手でしたよね(笑)。

平畠 ほんま明るい。コミュニケーション能力も高いし、話していて気持ちがいい。こんな答え欲しいなあと思っているところの10%増しくらいで返してくれる(笑)。

土屋 ありがたい存在ですよね(笑)。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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