災禍の後に描く“未来の野球”とは? コロナと闘う横浜DeNAベイスターズ・後編
開幕できたとしても、無観客試合や入場制限は避けられない。そんなアフターコロナ期にDeNAベイスターズが描く“次の野球”とは? 【(C)YDB】
そんなコロナ時代のプロ野球を横浜DeNAベイスターズはどう考えているのか。前編に引き続き、木村洋太副社長に話を伺った(取材日:4月22日)。
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“チケットを取れない人たち”をどうつなぎ止めるか
技術面を考えずに言えば、たとえば家にいながらバーチャルで球場の席に座っているような世界を作ったり、逆にお茶の間で応援しているファンの声を、グラウンドの選手の耳に届けることができたら、ステキなことですよね。現場にいなくとも双方向のコミュニケーションをどうすればできるか。“思いを伝えたい”という人たちの言葉をちゃんと伝えられる仕組みを作ることが、われわれが取り組むべき仕事なのではないかと思っています」
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2012年の経営参入以来、右肩上がりに観客動員数を増やしてきたDeNA。球場に行けない人たちに向けた施策を数々打ってきたが…(写真は神里和毅) 【(C)YDB】
「そうですね。コロナ問題が起きたことでより顕在化してきましたが、この問題は以前から球団が危機感として持っていたもの。すぐに完売してしまうYOKOHAMA STAR☆NIGHTなど、必死になってチケットを取ろうとしても、取れないファンの方たちが大勢いました。そういう方々の気持ちをどうつなぎ止めておけるか。
どんな趣味でも熱を継続させておくことは難しく、進学や就職、結婚などさまざまなライフサイクルの中で、フッと気持ちが切れてしまうことは度々あること。しかも、今は『野球どころじゃない』という心境の方も多いはず。たとえ終息したとしても、これまでハマスタ(横浜スタジアム)に来てくれていた2割のコアファンの皆さまが離れてしまったとしたら。その穴を埋めるだけの次のファンの方がすぐに来てくれるかと言えば……それは簡単なこととは言えないでしょうね」