【#STAYHOMEのすすめ】免疫学・三宅幸子教授が教える「免疫力を維持する3つのポイント」

構成:スポーツナビ

【写真:アフロ】

 新型コロナウイルスの流行によって、外出自粛を余儀なくされている方が多いはず。しかし、家にいる時間が増えるにつれて、心身に支障をきたしている人も少なくないのではないでしょうか。

 今はとにかくウイルスに感染しないためにも、免疫力を高めようとしている人は多いかもしれません。しかし、よく耳にする「免疫」とはどんな働きがあるのでしょうか。また、免疫力を維持するためには何を心がければよいのでしょうか? 今回は、順天堂大学で免疫学の研究をしている三宅幸子教授にお話をうかがいました。

免疫がうまく働くことで、感染症を防ぐことが可能に

【写真:アフロ】

 免疫とは、身体を微生物から守る生体防御のシステムのことです。うまく働いているときは、感染症などを防止することができます。ただし、自分の身体を間違えて攻撃してしまったり、アレルギーのように本来攻撃しないものに対して過剰に反応してしまったりする場合も。つまり、免疫が正しく働く状態であることが大事なのです。

 自宅で過ごす日々が続くと、ストレスが溜まったり、運動不足になったり、生活が乱れることがあります。こういった状態は免疫にとってよくないため、解消していくことが重要です。
■その1:軽〜中程度の運動を行う

【写真:アフロ】

 免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2つがあります。まず、真っ先に働いてくれるのが自然免疫です。体内には自然免疫を司る細胞がいますが、ウイルス感染に対しては特に「ナチュラルキラー細胞」が重要だと考えられています。そして、獲得免疫の中の細胞でも、ウイルスに感染した細胞を攻撃する力を持っているのが「キラーT細胞」です。
 つまり、ナチュラルキラー細胞とキラーT細胞の働きを高めておくことが重要ということ。そして、これらに有効なのが適度な運動です。

 筋肉を動かすと「マイオカイン」という物質が出て、ナチュラルキラー細胞やキラーT細胞の働きが良くなります。また、運動すると血行が良くなるので、免疫細胞の循環にも効果的です。さらに神経も活性化されるため、その点でも免疫力を上げるうえで有効でしょう。

 ただし、激しすぎる運動はNG。むしろ運動した後に免疫を一時的に下げてしまいます。身体が疲れきってしまうほどの運動は避け、適度な運動を心がけてください。散歩がちょうど良い運動になりますが、散歩やジョギングでの密集が問題にもなっているので、人との距離をあけるように注意するのを忘れずに。

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