元Jリーガーも参戦!eJチャレンジが開幕 実況者に聞く“新たなサッカー”の可能性
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「サッカーとゲーム両方のファンに楽しみを」
eスポーツプレーヤーとして国内外の大会で優勝の実績を持つ岸大河さん。現在はゲームキャスターとしてeスポーツを盛り上げている 【写真提供:岸大河】
「このつらい時期に、サッカーファン、ゲームファンの両方に楽しみを提供したいとの思いから開催が決まった。これも“新たなサッカー”として捉えてほしいし、大会をきっかけに多くの方にJリーグにより興味を持ってもらい、再開した時にスタジアムに足を運んでもらいたい」
実況するにあたって、ゲームのサッカーと、リアルなサッカーではどう違うのか。ゲームのクオリティー向上によって画面上で見る限り大きな隔たりはないように見えるが、決定的な違いが一つある。「ゲームではどんどんパスがつながり、選手名を言っていられないほど展開が早い」。実際にゲームをプレーしたことがある人はよく分かるだろう。数本のパス交換でシュートまで持ちこめることがままあるし、前後半20分の試合でもいい感じのスコアになる。ゲームのスピード感はユーザーが心地よく楽しめるように設計されている。
もっとも、場数をこなすと「点が入りそうな流れが分かる」ので試合展開に置いていかれることはない。実際のサッカーと似ているところとして、岸さんはいくつか例を挙げてくれた。「相手が中盤低い位置でボールを回している時にパスカットしたり、相手のサイドバックが上がっている時に高い位置でボールを奪取したりするとチャンスにつながる」。これらはJリーグでもよく見られるシーンだ。
サッカーゲームでは、プレーヤーが監督兼選手として全てをオーガナイズする。「eスポーツの選手はゲームだけでなくサッカーの知識も持っていて、監督としてチーム全体の構想を考えながら11人の選手全員を動かす。プロのサッカー選手が見てもすごいと感じてもらえるはず」。岸さんはeスポーツ選手の実力がサッカー選手に認められ、それがサッカーファンにも波及してeスポーツがさらに発展していくことに期待を寄せる。
昨シーズン圧倒的な攻撃力でJ1リーグを制した横浜F・マリノスであっても、ゲームの中ではアタッキングフットボールを展開するとは限らない。堅固な守備を誇ったセレッソ大阪がリスク承知の攻撃的な布陣、スタイルで戦うこともある。チームや選手の能力、特長をどう生かすかはプレーヤー次第だ。
「ゲーム内でも、キレイなサッカーをする選手もいれば、泥臭いサッカーをする選手もいる。実際のサッカーのプレースタイルに近いものも見られる。さまざまなタイプの選手がいて、さまざまなスタイルがあるのもeスポーツの面白いところ」(岸さん)