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Bリーグ日程変更はどこに重きを置いた?
競技運営グループマネージャーが語る
日程や対戦カード、試合を実施するための情報を確定させるのが競技運営グループの主な仕事だ
日程や対戦カード、試合を実施するための情報を確定させるのが競技運営グループの主な仕事だ【スポーツナビ】

 日本のスポーツ界は新型コロナウイルスの感染問題に対して、日々刻々とシビアな対応を強いられている。Bリーグも3月10日にポストシーズンの後ろ倒しと短縮、17日にはリーグ戦の再中断を発表した。クラブによっては外国籍選手の契約解除、帰国といった動きもある。


 Bリーグの最高意思決定機関は理事会で、各クラブの経営者が参加する実行委員会、一部の実行委員による幹事会といった機能もある。一方で行動指針やスケジュールのたたき台を作り、連絡や交渉などの実務を担っているのが競技運営グループのメンバーだ。今回もさまざまな主張に耳を傾け、会場確保に動き、必死の調整をした。


 そんな経緯と現状をファンの皆様に伝えるため、Bリーグ競技運営グループの数野真吾マネージャーにインタビューを行った。目下の情勢を見ると、彼らの尽力が実る保証はない。B1チャンピオンシップ、B1残留プレーオフ、B2プレーオフ、入替戦の開催や日程について再検討が行われる可能性も残っているだろう。


 新型コロナを巡る難局にあって、リーグの裏方がどういう原則を持ち、どう動いたのか。そんな難局における当事者の生々しい動きをお伝えしたい。(3月18日、東京五輪・パラ延期発表前に取材)

選択肢が絞られている中で日程を組んでいる

――Bリーグの競技運営グループが普段やっている作業を説明してもらえますか?


 日本代表戦、天皇杯などの日程も踏まえてカレンダーを作り、対戦カードを決めています。クラブとやりとりして会場と日程を決めて、試合を実施するための情報を確定させる。そこが一つの業務になっています。選手でいえば契約、登録も扱っているグループです。


――2019-20シーズンからB2プレーオフの出場チーム数が増えました。そのようなレギュレーションの決定は理事会ですが、競技運営グループがたたき台を用意しているわけですね。


 大会のフォーマットはリーグ戦、ポストシーズンともわれわれが所管しています。外国籍選手のオン・ザ・コートルールもそうです。


――普段からBリーグのアリーナ確保には苦労があると聞いています。


 1年前の夏にはある程度「どこの節はホーム」というスケジュールを出します。2019-20シーズンならば2018年夏のタイミングでしたね。われわれがホーム、アウェーを組むにあたって他競技の国際大会や全国大会などの予約がすでに入っていたりします。なので選択肢が絞られている中で日程を組んでいます。


 クラブ側には「ここでホームをやってくれないと厳しい」といった意向もあります。B1には「リーグ戦の8割をホームアリーナで開催しないといけない」というルールもありますが、結構ギリギリです。


――例えば札幌市の「北海きたえーる」のようなアクセスや収容人数などの条件が良い施設は、スポーツ以外のイベントも多く、予約が厳しいと聞いています。


 スポーツ団体しか競合がいないアリーナもありますが、北海きたえーるならば年に20本強くらいコンサートがあります。もちろん他のスポーツもあるので、稼働率が高いですね。

リーグ戦の延期に伴う、CSやPOの日程変更はタフな仕事だったと語った
リーグ戦の延期に伴う、CSやPOの日程変更はタフな仕事だったと語った【スポーツナビ】

――2月26日に延期が決まり、その後まずポストシーズンの日程調整がありました。


 最初に延期を決めたときは「ここからここまで」という中断期間がありました。そこにかかっている節をどこに動かしたらリーグ戦が成立するか、パズルみたいなことをやらなければいけなくなりました。

 リーグ戦が終わってポストシーズンとなったとき、B1、B2ともプラス2週間はホームゲームを主管する可能性がありました。延期を決めたとき、そういう意味で土日は2週分残っていました。なので2週間スライドさせれば、理屈上はクラブがアリーナを持っている、あるいは取れる前提からスタートしています。


――B2の下位など、ポストシーズン進出の可能性が消えているクラブもあります。仮予約を解除しているケースもあったのではないですか?


 そこは可能性論で、早めに予約をバラすことも必要です。そういう例は結構あって取り直す、取り戻す作業も発生していました。

 会場を抑えるのはクラブになりますが、ホームアリーナがどうしても取れないとなったときに「この会場だったらどうですか?」とコミュニケーションをしていたりします。

 東京はニーズの割にアリーナが少ないので、東京エクセレンスとかアースフレンズ東京Zのように、その後の調整が続いたところもあります。


――リーグがフォローする部分ですね。


 B2のダブルヘッダーは規約上NGです。B1とB3、B2とB3は同じ会場で1日2試合やる場合があるんですけど、B2以上で同じ会場で1日に2試合やることは認められません。こういう状況なのでリーグ戦を履行する観点で、緩和措置も検討しました。


――3月上旬の調整でポストシーズンの試合数を減らし、日程を後ろ倒ししました。まずB1のチャンピオンシップについてはどのような前提でしたか?


 もともとのレギュレーション上、クラブ主管でチャンピオンシップをやるのはクォーターファイナル(準々決勝)とセミファイナル(準決勝)の2週分でした。2週分の土日をリーグ戦用に使ってしまっているので、後ろを固定すると空いている枠が1週間だけです。リーグとして9日に予定されていたファイナル(決勝)の日程を動かさない限り、5月第2週の週末近辺しかありません。他に会場確保ができるかといったらそういう規模、ブランドがあるアリーナを確保することは非常に難しい。そこがスタートです。

――Bリーグは横浜アリーナのプラス2日、片柳アリーナの2日をリーグ主管試合の会場として追加しています。3月11日に発表されたスケジュールではB1チャンピオンシップ、B1残留プレーオフ、B2プレーオフ、入替戦がパズルのようにぴったりハマっていました。


 社内的にも議論しましたし、実行委員会でも議論していました。タフな仕事でしたね。

 単純にいうとパズルなんですけれど、どのピースが一番大事か、ある人から見て大事だけど別の人から見てどうか……。Bリーグの価値判断としてどの順番で決めていくんだろうな……。さまざまな観点がある中で、ピースをどこに持っていくのが最適かという調整が、あのときやっていた作業です。


――利害の対立が起こる部分はあったと思います。例えばB1のチャンピオンシップ、B2プレーオフは出場枠を8から4に減らすと日程を組むのが楽だったはずです。


 現状ある昇降格の構造を維持する観点と、全体的に見たBリーグの試合の価値みたいな観点に、若干違っている部分があります。ファイナルこそ最上位概念だと考えている方もいると思いますが、現状の昇降格システムを維持することはリーグの根幹です。それがクラブ経営にも大きな影響を及ぼします。


 今シーズンの始まりに、B2プレーオフは8クラブが出場するフォーマットにすると意思決定をしています。ポストシーズンを圧縮しなければいけなくなったときに、試合ができるのであれば「8」を残したほうがいいというのが(3月の)理事会でも最終的な決議内容でした。どこに重きをおいたかでいうと、8クラブがそのチャンスを維持することでした。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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