連載:ライオンズ黄金時代同窓会

渡辺久、辻が指名された83年ドラフト秘話 広岡監督が気づかなければ…?

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1983年にリーグ連覇を達成。日本シリーズでは巨人を下し2年連続の日本一に輝く 【写真は共同】

 福岡から埼玉へと移転し、西武ライオンズとなって4年目の1982年に、根本陸夫氏のあとを受けて広岡達朗氏が監督に就任。選手たちの食生活の改善からスケジュール管理、集団行動の規律を重んじた「管理野球」で徹底してチームを改革し、根本監督が言い残した「勝つ野球」を実現。ここから西武の黄金時代が始まった。その中で、すでにベテランだった東尾修、プロ入りすぐに中核を担った石毛宏典、さらに広岡時代にドラフト指名を受けた辻発彦、渡辺久信は、その時代をどう過ごし、どう振り返るのか。

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厳しい練習の中で構築されたもの

――広岡監督1年目の1982年、実に24年ぶりとなるリーグ優勝を果たしました。そしてその翌年も優勝して、日本一にも2年連続でなりました。ここから黄金時代が始まりました。

石毛 最初が中日で、その次が、巨人が相手でしたね。

東尾 辻はいつ入って来たんだっけ?

 84年からですね。83年のドラフトです。(渡辺を指して)僕たち二人は。

東尾 同期なの!?

渡辺 そうですよ。僕が1位指名です。

1983年のドラフト1位で指名された渡辺久信(右)と2位で指名された辻発彦(左) 【写真は共同】

――辻さんは広岡監督について、どのようなイメージを持って入ってきました?

 石毛さんと一緒ですよ。でも僕の場合は、広岡さんの下で野球をやりたいと思って入って来ましたから。

石毛 へぇ! そうなんだ!?

 広岡監督が厳しいというのは聞いていましたけど、自分にはそういう厳しいところが良いかなって思って。僕の親父がライオンズファンっていうのもあったし、(社会人時代に)住んでいたところもずっと浦和だったので……。西武入りが決まったときは、監督には「石毛についていけよ!」って言われましたよ。ずっとサードでしたけど、「次のセカンドは辻だ!」って、「石毛と良い二遊間になるから」って言われて入りましたね。

東尾 スカウトは誰だったの。

 長谷川さんですね。

石毛 長谷川一夫! (編注:1981年に現役を引退。引退後は06年まで西武のスカウトを務めた)

渡辺 僕も長谷川さんでした。僕も高校が群馬で、同じ関東だったんで……。僕の場合は「東尾さんがもうそろそろだから」って言われました。

東尾 ちょ、ちょっと待ってよ!

一同 はははは(笑)

石毛 でも東尾さんは、そこからしぶとかったからね(笑)。
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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