連載:Jリーグ「移籍・新戦力」を総ざらい

世代随一の逸材・西川潤だけじゃない 注目すべきJリーグの高卒ルーキー8選

安藤隆人
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 この世代随一の逸材と呼ばれ、すでに今夏の欧州移籍が既定路線とも言われる西川潤(桐光学園高→C大阪)だけではない。1月の全国高校サッカー選手権大会決勝でしのぎを削った松村優太(静岡学園高→鹿島)と武田英寿(青森山田高→浦和)など、今年Jリーグ入りする高卒ルーキーには他にも優良株が少なくない。ここでは「J1の即戦力ルーキー」、「2〜3年後に台頭しそうなルーキー」、「大化けする可能性を秘めたルーキー」、そして「J2の即戦力ルーキー」の4つの項目に分け、それぞれ注目すべきタレントをピックアップしていく。

J1の即戦力:西川潤(C大阪)&荒木遼太郎(鹿島)

【西川潤のプロフィール】
桐光学園高→セレッソ大阪/MF
2002年2月21日、180センチ・70キロ、神奈川県出身

昨季、C大阪の特別指定選手としてJリーグデビューを飾った西川。すでに今夏の欧州挑戦を視野に入れているとも 【Getty Images】

 高卒ルーキーの即戦力と言えば、真っ先に思い浮かぶのが西川潤だ。

 すでに昨年4月にセレッソ大阪の特別指定選手としてJデビューを済ませた逸材は、同年秋に行われたU-17ワールドカップ(W杯)でも違いを見せつけている。高精度の左足と圧巻の突破力、そして一人で試合を決定付けてしまう勝負強さ──。注目度は今年のルーキーの中でも一番と言っていいだろう。まだC大阪でのキャリアを本格的にスタートさせたばかりだが、早くも海外移籍のうわさがささやかれている。

 昨年は桐光学園高のキャプテン、そしてC大阪の特別指定選手としてプレー。さらに3月のU-20W杯は飛び級で出場、10〜11月のU-17W杯では主力を担うといった具合に、目まぐるしく置かれた立場と戦う環境が変わるなかで、コンディション調整に苦労したのは確かだろう。

 当然ながら、最後の高校選手権への出場を逃したのは悔しかったはずだが、その分しっかりと休養を取ってプロ生活に臨むことができたのは、この先の彼のキャリアを考えればプラスになるはずだ。コンディションさえ万全なら、多彩な引き出しを持ち、状況に応じて適切な選択ができるそのインテリジェンスの高さを、実質プロ1年目の今季から存分に見せつけてくれるに違いない。

 仮にうわさ通り、今夏に海外移籍をするにしても(バルセロナが獲得するとの情報も)、まずはC大阪の知将ロティーナのもと、J1でしっかりと経験を積むことだ。その上で、本人にとってもクラブにとっても良い形で、将来への道を切り開いてほしい。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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