最強リバプールの戦術上のキーマン 世界一と評される両SBが快進撃を支える

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右SBのアレクサンダー・アーノルド(右)は、アカデミーから昇格して4年目の21歳。一方、左SBのロバートソン(左)は移籍3年目の25歳。いまリバプールで最もホットと言えるのが、攻守に渡って輝きを放つこの両SBだろう 【Getty Images】

 リバプールの勢いが一向に衰えない。プレミアリーグでの連勝を14にまで伸ばし、いまだ無敗をキープしている(22勝1分け)。2位マンチェスター・シティとの勝点差はすでに16。30年ぶりのリーグ優勝へまっしぐらだ。

 その際立った強さを支えているのは、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの3トップや、センターバック(CB)のヴィルギル・ファン・ダイクだけではない。

 彼らに勝るとも劣らないハイパフォーマンスを続けているのが、トレント・アレクサンダー・アーノルド、アンドリュー・ロバートソンの両サイドバック(SB)だ。いまやそれぞれのポジションで世界ナンバー1との声もある両選手は、「最強リバプール」に絶対不可欠な戦術上のキーマンである。

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わずか2本のパスでシティの守備を無力化

開幕から怒涛の快進撃を続けているリバプール。19年末にはクラブワールドカップを制して世界の頂点にも立つなど、もはや手がつけられない 【Getty Images】

 衝撃だったのは、プレミアリーグ12節、マンチェスター・シティ戦でのリバプール2点目のゴールだ。

 1-0で迎えた13分だった。リバプールが自陣でビルドアップをスタートする。右サイドでパスを受けたアレクサンダー・アーノルドは、敵のハイプレスに晒されながらも右足をコンパクトに振り抜き、サイドチェンジを試みる。攻撃は、ここから一気に加速。左サイドでボールを収めたロバートソンが、ノンプレッシャーの状態でアタッキングサードに進入すると、必死に帰陣するシティのディフェンダーたちを嘲笑うかのように早いタイミングでアーリークロスを送り込む。最後はファーサイドに走り込んだサラーが、ヘッドでねじ込んだ。

 スピーディーなこの攻撃を成立させていたのは、シティの組織的なハイプレスをかいくぐって反対サイドに数的優位を瞬時に作り出すとともに、タイミングもコースも完璧なクロスをサラーに届けた両SBのキック精度の高さだった。自陣の深い位置からわずか2本のパスで、リバプールはプレミアリーグ王者のディフェンスを無力化してみせた。

 2019-20シーズンのリバプールは、開幕から怒涛の快進撃を続けている。プレミアリーグは22勝1分け無敗。1試合未消化の状態で2位のシティに16ポイントの大差をつけ、文字通り首位を独走中だ。30年ぶりとなる悲願の国内リーグ制覇が、早くも現実味を帯びている。

 ちなみに18-19シーズンを含めれば、プレミアリーグは40戦連続無敗。19年1月のシティ戦(1-2)を最後に負けておらず、49戦連続無敗の金字塔を打ち立てた03-04シーズンのアーセナルの記録に迫る勢いだ。さらに今シーズンは、連覇が懸かるチャンピオンズリーグで危なげなくグループステージをトップ通過し、19年末にはクラブワールドカップを制して世界の頂点にも立つなど、もはや手がつけられない。
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