悲願の「花園」初優勝を目指す京都成章 個に頼らず全員で難敵を迎え撃つ

多羅正崇
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今年の京都成章の強みは、なんといっても大型選手をずらりとそろえたFWだ。プロップ西野、ロック本橋、フランカー延原など、FWだけで6人の高校日本代表候補を擁する 【京都新聞/共同通信イメージズ】

 開幕が間近に迫った今年の「花園」で、高校3冠を目指す桐蔭学園、前年王者の大阪桐蔭などとともに優勝候補に挙げられるのが京都成章だ。大型選手が並ぶFW(フォワード)が大きな強みだが、BK(バックス)にも好選手が多く、タレントレベルは全国屈指。4強入りした春のセンバツから着実にレベルアップしており、ベスト4の壁を破り頂点まで駆け上がる可能性は十分ある。

 湯浅泰正監督は教え子たちに「戦うことを楽しんでほしい」と言っているが、選手たちが「花園を楽しむ」ことができれば、悲願の日本一に手が届くかもしれない。

「大学生並み」とも言われる大型FW

 2019年度の全国高校ラグビー大会「花園」で、京都成章は桐蔭学園(神奈川)、御所実業(奈良)とともにAシードとなった。同校史上最大の大型FWを擁する今年のチームは、春には近畿大会で優勝し、全国大会の「センバツ」ではベスト4入り。そして12月27日に開幕する花園には、優勝候補の一角として乗り込む。6年連続12回目となる檜舞台で、初優勝の期待もかかる。

 タレントは大会屈指だ。

 先発FW8人の平均体重は、今春の時点で約100キロあった。リザーブを含めた3人のロック(本橋拓馬=2年、山本嶺二郎=3年、岡大翔=3年)はいずれも身長190センチ前後。さらにプロップ西野拓真(3年)、フランカー延原秀飛(3年)、ナンバーエイト村田陣悟(3年)も180センチ台。日本の高校ラグビー史においても稀有(けう)であろう大型FWは、「大学生並み」とも言われる。

 BKにも才能豊かな選手がそろう。ウイングの森本蒼(3年)はトライゲッター。2年生ハーフ団のスクラムハーフ宮尾昌典、スタンドオフ辻野隼大は、いずれもラン、キックとも優れる。辻野は昨年度の花園でも、1年生ながら流通経大柏(千葉)に敗れた3回戦に途中出場するなど経験豊富。FWは3年生中心、BKは2年生中心というメンバー構成が特徴的だ。加えて、今年のチームは選手層が厚い。

「(先発とリザーブは)ほとんど遜色ないです。ハーフ団は宮尾と辻野ですが、同じ2年生の西村(建哉)、徳永(司也)も良いです」

 湯浅泰正監督も確かな手応えを感じている。

 そんなタレント軍団をピッチで率いるのは、プロップ西村優希(3年)とフランカー三木皓正(3年)だ。今年の京都成章は共同キャプテン制を敷いている。西村がその経緯を教えてくれた。
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著者プロフィール

ラグビーを中心に精力的に執筆活動を続けるスポーツライター。法政二高−法政大学でラグビー部に所属。ポジションはスタンドオフで、大学1年時にU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。

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