「カネロやゴロフキンにも決して…」 内山高志が語る、村田諒太・最大の武器
2018年2月に開催された、2017年・年間優秀選手表彰式の舞台上で笑い合う村田諒太(左から2人目)と内山高志さん(後列中央) 【山口裕朗】
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共にトップアマ同士だったプロ転向前
初めて会ったのは全日本選手権の会場で、僕が社会人1年目、村田がまだ高校生の時でした。向こうから突然、「内山さん、今回の大会は楽勝ですよね」と声をかけてきたんです。といっても、彼はすでに有名な選手でしたし、お互いに顔と名前は知っていたので、あまり初対面という感じはしなかったですけどね。
高校生でこうして全日本選手権に出てくるのはすごいことだし、何より6つも歳上の大人を相手に気後れせず話しかけてくるくらいですから、「肝の座った選手だな」と感じたのを覚えています。
――村田選手は大学時代、当時の内山さんの所属ジムであるワタナベジムにもよく出入りしていました。手合わせをする機会も?
彼が大学に進んですぐの頃は、たまに軽いマスボクシングをやっていました。当時からすごくセンスのあるボクサーでしたが、今のような前へ出るスタイルではなかったですね。当時の村田はどちらかというと、足を使ってジャブを突く、テクニシャンタイプだったんです。うちの重量級のプロたちとスパーリングをやっているのを何度か見ましたが、とにかくスピードもパワーも圧倒的だったのが印象的です。
――同じくトップアマとして活躍した内山さんの目には、オリンピックの金メダル、それも重量級のミドル級を制する日本選手の登場を、当時どのようにご覧になっていましたか?
村田にはそれだけの力があると思っていましたけど、それでもミドル級ですから、やっぱり驚きましたよね。一つ言えるのは、ルールの変更は彼にとって大きかったと思います。以前は軽いジャブでもとにかく当てればポイントになったため、“触り合い”の得意な選手が有利な面がありました。それがルール変更後はダメージが重視されるようになり、村田の特性がいっそう生かされるようになった。
村田はスピード重視の触り合いでも十分に強かったですけど、体の強さがより発揮できるのは現行のルールです。こういう流れを引き寄せるあたりも、やはり彼は持っていますよ。逆にルールが変わって勝てなくなってしまった選手も実際にいますからね。
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