連載:村田諒太、“世界トップ戦線”に躍り出ろ

村田諒太のさらなる進化を支える カルロス・リナレス・トレーナーとは?

渋谷淳
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村田諒太と息の合ったミット打ちを披露する、カルロス・リナレス・トレーナー 【山口裕朗】

 WBA世界ミドル級王者の村田諒太(帝拳)が12月23日、横浜アリーナで挑戦者8位のスティーブン・バトラー(カナダ)を迎えて初防衛戦に臨む。大一番を前にした村田をサポートするスタッフ、ベネズエラ出身のカルロス・リナレス・トレーナーをご存じだろうか。今や“チーム村田”に欠かせない重要人物、カルロス・トレーナーに迫った。

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兄は世界3階級制覇王者、ホルヘ・リナレス

 カルロスが日本でも活躍した世界3階級制覇のホルヘ・リナレスの実弟であることをご存じの方も多いだろう。そこで今回はあえてリナレスではなく、カルロス・トレーナーと呼ぶことにさせてもらう。

 そのカルロス・トレーナーが村田の横につくようになったのは、村田がロブ・ブラント(アメリカ)に雪辱を果たした2019年7月の試合の前からだ。村田は18年10月、アメリカ・ラスベガスでブラントに敗れてまさかの王座陥落。進退を悩んだ末に現役続行を決めた後のことである。

 それまで村田は同じ帝拳ジムの田中繊大トレーナーとタッグを組んでいた。ところが田中トレーナーが肘を手術することになり、ミット打ちでミットを持つ役がカルロス・トレーナーのところに回ってきたのだ。

「本田(明彦)会長に言われました。『カルロスは村田と同じくらい背が高いし、若くて速く動けるからミットには適任だろう』と。村田はオリンピックの金メダリストで、プロで世界王者にもなったグレートなチャンピオン。リスペクトしている彼の担当になることは名誉だと思いました」

恵まれた体格とスピーディーな動きで貢献

2回TKO勝ちでリベンジした7月のブラント戦。ミット打ちは練習の一部に過ぎないとはいえ、カルロス・トレーナーの存在も良い影響を与えただろう 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 こう書くと田中トレーナーとカルロス・トレーナーが交代したように思われるかもしれないが、実際はそうではない。チーフはあくまで田中トレーナーで、カルロス・トレーナーはセカンドという立場。トレーニングの中では主にミット打ちを担当している。

 チーム村田に加入したカルロス・トレーナーは村田の再起にあたり、いくつかのアドバイスを送ったという。
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著者プロフィール

1971年生まれ、東京都出身。河北新報社、内外タイムス社をへてフリーのスポーツライターに転身。カバーしている競技はボクシングを中心にラグビー、レスリング、柔道、バスケットボールなど。現在は『Number web』で「ボクシング拳坤一擲」を連載するほか、専門誌『ボクシング・ビート』が運営するウェブサイト「ボクシングニュース」でメインライターを務める。著書に『慶應ラグビー 魂の復活』(講談社)がある。

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