日本代表、運命の一戦で問われる総合力 データで見るスコットランド戦
アイルランド戦のように攻撃時間を増やせるか?
トンプソン ルークを中心としたラインアウトでも優位に立ちたい 【写真:ロイター/アフロ】
ジョセフHCも「スコットランド代表は大きくて経験値の高い選手がそろっているので、空中でのプレッシャー、モールでのフィジカルの力を入れてくると思っている」と話したように、ハイボールとモールをうまく使って戦ってくることは明白である。
まず日本代表としては、スコットランド代表のキーマンである9番、10番、15番に自由にプレーさせないよう、ある程度、アイルランド代表戦同様に、ボールをキープして攻撃時間を増やすことが大事になってくるだろう。もし攻撃されても、今大会、成功率が90%以上をたたき出しているタックルで止めてモメンタム(勢い)を奪いたい。
接点周り、そしてラインアウトでは日本代表のLOトンプソン ルークとジェームス・ムーアの2人の活躍が鍵になりそうだ。
相手のキックへの対応もポイント
パスか、キックか。日本代表SH流の判断もポイントになる 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
また相手のキックに対しても、しっかりとキャッチしてチャンスを与えたくない。ハイボールの処理のうまいWTB福岡堅樹が今大会初先発し、4戦連続先発のWTB松島幸太朗、開幕戦以来の先発となったFBウィリアム・トゥポウもハイボールには強いのでバックスリーの連係とキャッチスキルに期待したい。
さまざまな状況への対応力が必要に
ファンの声援を背に日本代表が大一番を迎える 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
日本代表のペナルティ数はロシア代表戦5回、アイルランド代表戦6回だったが、サモア代表戦は10回と増えてしまったことが苦戦の要因の一つにもなった。リーダーのひとりPR稲垣啓太は「反則をしないことが大事」と語気を強めた。
日本代表は勝ち点で4点リードしていることから、引き分けか勝つかでベスト8進出が決まる。今大会、10PG、5Gを成功させて計40点を挙げているSO田村の右足で得点を刻むことも大事となってくるだろう。
日本代表がアイルランド代表に続いて、欧州の伝統国であるスコットランド代表を撃破し、初のベスト8進出なるか――相手の戦術、気候条件、得点差といった状況に対応する、ジェイミー・ジャパンの集大成となるような最高の試合に期待したい。