フランクフルトの寒い夜、熱い空間 ブンデスリーガ探訪記(3)

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5万人の熱がつくる特別な空間があった

フランクフルトの本拠地コメルツバンク・アレナ。悪天候にもかかわらず、満員の5万1500人を動員。熱狂的な応援でチームを後押しした 【スポーツナビ】

 試合とは別に、スタジアムの雰囲気にも触れておこう。この日の観客は収容人数となる5万1500人。朝から雨が降り続き、気温も9度(体感温度は7度以下)という悪天候にもかかわらず、多くの人が集まった。同じ条件だとしたら、日本ではどうだろうか。

 正直に告白すれば、記者席では震えながら観戦していた。終盤は早く試合が終わらないかな、とも思ったほどだ。ドイツの気候を見誤って防寒着が足りなかったのは確かだが、10月でこの寒さである。サッカー観戦に向いているとは言い難い悪条件の中、それでも全席が埋まっていた。バイエルン、アリアンツ・アレナに比べれば規模は少々劣るが、ファン・サポーターがつくりだす雰囲気は変わらない。そこには熱い空間が確かにあった。

 フランクフルトでも近年チケットの入手は困難で、全席完売が続き、選手やスタッフも簡単に購入できないという。格安の立見席はもちろん、スタジアム内の事務所を撤去してVIP・企業向けのブースを増設するなど高価格チケットも売れ行き好調だ。

 ツアー初日に教えてもらった、ブンデスリーガの観客動員数をあらためて思い出す。欧州5大リーグトップの平均観客数4万4000人。ただ、アリアンツ・アレナではバイエルンが世界に名だたるビッグクラブだからか、どこか別次元のように感じられた。一言でいえば、スゴすぎて現実感がないのだ。

 だが、ここフランクフルトは中堅クラブであり、全世界からファンが集まるわけではない。訪れるのは多くが地元、近隣の人々だろう。頑張ればJリーグもこのレベルまで到達できるのではないか、という良い意味での親近感がある。それでいて、スタジアムの熱量は半端ない。最高じゃないか。

 ツアーのプログラムはこれにて終了。実質3日間、ミュンヘン、フランクフルトと慌ただしく過ごしたが、「本場」を体感する貴重な機会となった。ドイツでは毎週末各地で、エキサイティングなサッカーが展開され、スタジアムには熱狂が渦巻いている。恐るべしブンデスリーガ、侮ることなかれ、である。

(取材・文:今成裕/スポーツナビ)

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