ロッテ小川龍成 悔しさをエネルギーに変える強い気持ちが導いた「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」年間大賞!悔しいプレーの3日後のサヨナラ打
「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」の年間大賞を受賞したスワローズ長岡秀樹内野手と笑顔の小川龍成内野手 【千葉ロッテマリーンズ提供】
晴れ舞台で笑顔を見せた。小川龍成内野手がセ、パ両リーグが制定する「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」の年間大賞を初受賞。11月27日、都内での授賞式に出席した。
悔しさをバネに変えて、突き進んだ一年だった。
真夏の練習休日、月曜日の午前中。本拠地ZOZOマリンスタジアムのグラウンドに小川の姿を目にすることがあった。一球、一球、丁寧にボールをさばいて投げる。それを黙々と繰り返していた。項垂れるような暑さの中、汗を拭いながら懸命にボールを追っていた。小川はその2日前の7月27日のイーグルス戦(楽天モバイル)で試合途中から二塁で試合出場したが2つの失策を記録していた。翌日の試合を終え、仙台から帰京する際に新幹線のプラットホームでチームスタッフの上野拓真を見つけると神妙な表情で声を掛けた。「明日、マリンにいますか?もし、よければ練習に付き合ってもらえませんか?」。上野が快諾をして、休日返上の特守を行うことが決まった、
「エラーをした事実は変わらないけど、モヤモヤが残っている状態だと次の試合でおもいっきたプレーが出来ないと思いました。だからそのモヤモヤを晴らす意味でも練習をしたいと思いました」と小川はその時の心境を話す。
2つの失策を記録した試合、チームは勝利した。勝利のハイタッチを終えてベンチに戻ると悔しさがこみ上げてきた。だから一瞬、ベンチで下を向いたまま、動けなくなった。そんな時、コーチ、チームメートたちが声をかけてくれた。
「結構、落ち込んで暗い気持ちになっていた。最初、コーチの皆様にかけてもらって、その後も色々な先輩から声をかけてもらった。『大丈夫だよ』と言ってもらった」と小川は振り返る。
ブルペン担当の黒木知宏投手コーチも「これまで何度、(小川)龍成の守備に助けられたことか。だから切り替えて前を向こう。必ずこの悔しさをぶつけるチャンスは来るから」と優しく声をかけてくれた。気遣ってくれるコーチ、先輩方の想いがありがたかった。だからこそすぐに悔しさをエネルギーに変え、前を向くことが出来た。そして、なにか行動を移さずにはいられなかった。
すぐに汚名返上の機会が訪れた。休日練習を行った翌日7月30日に本拠地で行われたライオンズ戦で小川はヒーローとなる。同点で迎えた九回二死満塁の場面で三塁側にスクイズを敢行。意表を突いたことで相手守備陣が乱れ、サヨナラ勝ちのランナーが生還した。
「打席がまわってきたら(スクイズを)やるつもりでいた。いい形になってよかった」。
ユニホームを泥だらけにしながらヒーロー笑った。ロッカーに戻ってくると「ほらね。すぐにいいことがあったでしょ」と黒木投手コーチから笑って声をかけられた。「ハイ!」。小川も嬉しそうに微笑んだ。このプレーこそがその後、「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」年間大賞に選ばれることになるのだ。
野球は失敗のスポーツとも言われている。人生もまた同じだ。上手くいかないことが多い。大事なのは失敗した後、上手くいかなかった後にどのような行動をとるか。仕方がない、運が悪かったで終わらせるか、反省し次に生かし、失敗を糧とできるか。小川龍成はエネルギーに変えた。今シーズンは自己最多の119試合に出場し21打点、10盗塁。泥臭く、ガムシャラに生きた日々が評価された。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
悔しさをバネに変えて、突き進んだ一年だった。
真夏の練習休日、月曜日の午前中。本拠地ZOZOマリンスタジアムのグラウンドに小川の姿を目にすることがあった。一球、一球、丁寧にボールをさばいて投げる。それを黙々と繰り返していた。項垂れるような暑さの中、汗を拭いながら懸命にボールを追っていた。小川はその2日前の7月27日のイーグルス戦(楽天モバイル)で試合途中から二塁で試合出場したが2つの失策を記録していた。翌日の試合を終え、仙台から帰京する際に新幹線のプラットホームでチームスタッフの上野拓真を見つけると神妙な表情で声を掛けた。「明日、マリンにいますか?もし、よければ練習に付き合ってもらえませんか?」。上野が快諾をして、休日返上の特守を行うことが決まった、
「エラーをした事実は変わらないけど、モヤモヤが残っている状態だと次の試合でおもいっきたプレーが出来ないと思いました。だからそのモヤモヤを晴らす意味でも練習をしたいと思いました」と小川はその時の心境を話す。
2つの失策を記録した試合、チームは勝利した。勝利のハイタッチを終えてベンチに戻ると悔しさがこみ上げてきた。だから一瞬、ベンチで下を向いたまま、動けなくなった。そんな時、コーチ、チームメートたちが声をかけてくれた。
「結構、落ち込んで暗い気持ちになっていた。最初、コーチの皆様にかけてもらって、その後も色々な先輩から声をかけてもらった。『大丈夫だよ』と言ってもらった」と小川は振り返る。
ブルペン担当の黒木知宏投手コーチも「これまで何度、(小川)龍成の守備に助けられたことか。だから切り替えて前を向こう。必ずこの悔しさをぶつけるチャンスは来るから」と優しく声をかけてくれた。気遣ってくれるコーチ、先輩方の想いがありがたかった。だからこそすぐに悔しさをエネルギーに変え、前を向くことが出来た。そして、なにか行動を移さずにはいられなかった。
すぐに汚名返上の機会が訪れた。休日練習を行った翌日7月30日に本拠地で行われたライオンズ戦で小川はヒーローとなる。同点で迎えた九回二死満塁の場面で三塁側にスクイズを敢行。意表を突いたことで相手守備陣が乱れ、サヨナラ勝ちのランナーが生還した。
「打席がまわってきたら(スクイズを)やるつもりでいた。いい形になってよかった」。
ユニホームを泥だらけにしながらヒーロー笑った。ロッカーに戻ってくると「ほらね。すぐにいいことがあったでしょ」と黒木投手コーチから笑って声をかけられた。「ハイ!」。小川も嬉しそうに微笑んだ。このプレーこそがその後、「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」年間大賞に選ばれることになるのだ。
野球は失敗のスポーツとも言われている。人生もまた同じだ。上手くいかないことが多い。大事なのは失敗した後、上手くいかなかった後にどのような行動をとるか。仕方がない、運が悪かったで終わらせるか、反省し次に生かし、失敗を糧とできるか。小川龍成はエネルギーに変えた。今シーズンは自己最多の119試合に出場し21打点、10盗塁。泥臭く、ガムシャラに生きた日々が評価された。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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