
シーズン当初からエースの石川祐希が「メダルを狙う」と宣言しているように、東京五輪前年のワールドカップ(W杯)は男子日本代表にとって「結果」にこだわる大会だ。昨年、イタリアで行われた世界選手権は1次リーグ敗退と悔しい結果になったが、近年取り組んできたスタイルに、選手たちは手応えを示している。だからこそ、W杯では、高さ、パワー、強さ、巧さ、経験で勝る相手に対し、日本はどんなバレーボールをすれば上回ることができるのか。年々進化する世界のバレー、そして日本代表の取り組み。現在は解説者としても現場を見続けている山本隆弘さんにポイントを聞いた。
サーブを打つ場所、目的に注目すると面白い

――今大会は五輪出場権がかかるわけではありません。日本チームの見どころはどんなところにあるでしょうか?
3年間積み重ねてきたことがどれだけ世界トップクラスに通用するかを確認するための、前哨戦です。相手がどんなメンバーであろうと、日本チームとしてはやってきたことの何が通用して、何が足りないか。それをこの大会で確認し、自信をつけるところはつけて、見つけた課題は来年の五輪までに克服することが、一番のテーマになるはずです。
――山本さんからご覧になって、今の日本バレーの特徴は?
サーブの強化を図ってきているので、サーブでは世界ナンバーワンを狙う。そこにプラスして、サーブレシーブからのサイドアウト率が世界ナンバーワンになれば、面白いと思います。サイドアウト率、と言うと、サーブレシーブの返球率を高めて1本で攻撃を決めよう、と思ってしまいがちですが、サーブレシーブの返球率はどうでもいい。むしろ1本で決めるのではなく、難しい状況では無理せず、何本もリバウンドをもらってでも相手にブレイクポイントを与えず、サイドアウトは確実に得点につなげる。大事なのは、その確率を高めることです。アタッカーとしては、きれいに決めたい気持ちもあるかもしれませんが、1本で決めなければいけない理由はない。チャンスが来るまで粘って待つ、そのために相手のチャンスにならざるを得ない状況でも相手の嫌なところに返す。相手にサーブ権があるときに得点を与えなければ、それだけ勝利に近づく可能性も高まる。見ている方もそこに注目していただけると、バレーの奥深さが分かるのではないでしょうか。
――バレーの奥深さ、まずどんなポイントを見れば分かりやすいですか?
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