高校時代の5000メートルの記録は15分8秒。県大会レベルだった。

　週4回のポイント練習が響いてか、故障が長引き、思うように走れない悶々（もんもん）とした日々。

　当時の唯一の楽しみは、学校帰りに寄り道していたブックオフだった。買い食いなどに興味のなかった陸上部員は、よく漫画を立ち読みし、お気に入りの漫画は全巻集めなければ気が済まなかった――。

　高校3年時は自己ベストを更新することもなく、けがでインターハイ予選にも出場できなかった。自ら高校時代はけがで病んでいたと振り返る川内は、大好きな漫画を読みあさることで溜まったストレスを発散していたのだ。

　特にハマったのは陸上漫画で、自称、日本有数のコレクターだと豪語する。

「『マラソンマン』に『奈緒子』、『彩風のランナー』、『めざせ1等賞』『ランナーズ・ハイ！』『リズム』など。近所のブックオフになかった場合は、古本屋を回ったりネットオークションを使ったりして何百冊と全部集めました（笑）」（川内）