錦織、フェデラー攻略の鍵は?
長期戦にもつれさせればチャンスあり

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錦織はベスト4を懸けて10日夜、準々決勝でフェデラーと激突する
錦織はベスト4を懸けて10日夜、準々決勝でフェデラーと激突する【Getty Images】

 テニスのウィンブルドン選手権7日目、第8シードの錦織圭(日清食品)が、世界ランキング58位のミハイル・ククシュキン(カザフスタン)にセットカウント3-1(6-3、3-6、6-3、6-4)で勝利し、2年連続2度目となる8強入りを果たした。

 準々決勝の相手は、現在世界ランキング3位、『ビッグ3』の一角であるロジャー・フェデラー(スイス)。日本勢86年ぶりの4強入りを目指す錦織に勝機はあるのか? 元プロテニスプレイヤーでテニス解説者の辻野隆三氏が現地から解説する。

難敵を撃破! 好調を支えるリターン

錦織は相手のミスを誘うククシュキン(左)のプレーに苦しみながらも、2年連続のベスト8入り
錦織は相手のミスを誘うククシュキン(左)のプレーに苦しみながらも、2年連続のベスト8入り【写真:ロイター/アフロ】

――4回戦ではククシュキン相手に1セットを落としてしまいましたが、ベスト8進出を決めました。この試合の錦織選手はどうだったでしょう?


 ツアーの予選を含めて過去9戦全勝という対戦成績から、試合前は結果を楽観視する声もありましたが、錦織選手にとって簡単な試合ではなかったと思います。ククシュキン選手が今大会を勝ち上がる要因となっていたバックハンドの深いストロークには、錦織選手も苦しめられました。ボールへの変化の対応が鍵を握るグラス(芝)コートでは、ククシュキン選手のショットが他のコートサーフェス以上の威力を出します。過去の戦績やランキングに関係なく、“いやらしい相手”でした。


――その難敵相手に第1セットを先取。早い仕掛けも見られ、良い試合の入り方でした。


 そうですね。第1セットの内容があまりに良かったので、第2セットで一気にリターンからたたみかけようとしてミスを重ねてしまった印象はあります。ただ、錦織選手のプレーの中では、試合を通してリターンがものすごく良かったんです。リターンポイント率は、結果的にククシュキン選手のファーストサーブに対して35%でしたが、セカンドサービスに対しては50%以上ポイントにつなげられていました。


――錦織選手にとってリターンは生命線とも言えるところですよね。今大会通じて好調ということでしょうか?


 全体的に「リターンの反応が良い」印象を受けています。1、2回戦は左利きの選手、3回戦はビッグサーバーとまでは言えなくてもサービスの強い選手、4回戦では今年のウィンブルドンのコートの状態にマッチしたショットを武器に勝ち上がってきたククシュキン選手と、さまざまなタイプの選手と対戦してきましたが、いずれもリターンで後手に回ることがありませんでした。元々自信を持っているリターンが思ったところに返せるのは、その後の仕掛けを早くするためにも効果的です。リターンでリズムをつくれることで、自身のサービスにも良い形で入っていけている様子も見て取れます。


――サービスについては錦織選手自身も「気持ちよく打てている」「謎に良い」と今大会特に好調なようですね。


 ゲームを落としてはいますけど、サービスはすごく良いですよね。4回戦のファーストサーブ成功率は59%と少し数字を落としてしまいましたが、これまでと比べて悪くなったというわけではないと思います。セカンドサービスで、スライスやスピン、フラット、複数のサービスを打ち分けられているのも良いです。セカンドサービスのポイント獲得率は60%を超えていました。グラスコートの特性をうまく生かして、相手にとって嫌な球種、嫌なところにサービスをコントロールできています。深さを出せているのも大きいですね。

グラスコートで「芝の王者」フェデラーに挑む

8月に38歳となるフェデラー。かつてほど絶対的な存在ではないが、前哨戦を制するなど今大会も優勝候補のひとり
8月に38歳となるフェデラー。かつてほど絶対的な存在ではないが、前哨戦を制するなど今大会も優勝候補のひとり【Getty Images】

――次戦の相手はいよいよ『ビッグ3』、ロジャー・フェデラー選手です。今大会のフェデラーの調子はどうでしょう?

大塚一樹

スポーツライター。育成年代から欧州サッカーまで幅広く取材活動を行う。またサッカーに限らず、多種多様な分野の執筆、企画、編集にも携わっており、編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。

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