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コパ・アメリカ2019特集
「日本のスピードと技術は素晴らしい」
チリ人記者が語るコパ・アメリカ初戦
「ボール扱いが素晴らしい」と中島(10番)のテクニックがチリ人記者にも評価された
「ボール扱いが素晴らしい」と中島(10番)のテクニックがチリ人記者にも評価された【写真:ロイター/アフロ】

 サッカー日本代表は17日(現地時間)にコパ・アメリカ(南米選手権)初戦のチリ戦に臨み、0−4と大敗した。試合の立ち上がりこそ一進一退の攻防を見せた日本だが、前半41分にCKから長身のエリック・プルガルにヘディングシュートをたたき込まれて試合を折り返すと、後半9分にはエドゥアルド・バルガスのミドルシュートが冨安健洋に当たりゴール。その後、後半37分、38分にも立て続けに失点し大会2連覇中の王者に完敗を喫した。


 この試合を対戦相手のチリ人ジャーナリストたちは、どのように見たのだろうか。チリのラジオ局「コオペラティーヴァ」で記者を務めるパトリシオ・デラ・バッラ氏は「中島のボール扱いが素晴らしい」と賛辞を送る一方、「日本に足りなかったのは正確なシュート」と語る。テレビ局「カナル13」の記者フェルナンド・ゴメス氏は「本当のA代表なら4−2(チリ勝利)の試合になったのでは」とコメント。両者ともにチャンスを多く生み出した日本代表のクオリティーを評価しつつも、フィニッシュの精度に厳しい評価を与えた。

「日本でとても印象に残ったのは中島翔哉」

ラジオ局「コオペラティーヴァ」記者、バッラ氏


 日本代表は非常にスピードのあるプレーを仕掛けチリ代表を脅かしたが、経験豊富なチリチームのゴールを割るにはあと一歩だった。


 それでも、今日の試合で森保一監督がいいチーム作りをしていることはよく分かった。今日の結果は4−0となったが、日本チームはもっと良い結果を出せるチームだ。


 GKガブリエル・アリアスを手こずらせるような素晴らしいプレーも数回あったが、最後の最後で正確さを欠いたためボールは枠に入らなかった。FWの上田綺世が前半終盤でチリが先制点をマークした直後に反撃したのをはじめ、何回も好機を作った。


 長身であるプルガル(187センチ)のヘディングシュートの瞬間、日本のディフェンスの足は止まってしまった。


 アレクシス・サンチェスのゴールは日本のディフェンスが防ぎ切れないゴールだったが、バルガスの2点はこの先修正をして練習さえすれば防げるゴールだった。


 日本選手でとても印象に残ったのは中島翔哉。ボールの扱いが素晴らしかった。上田のスピード、久保建英のテクニックもよかった。


 交代出場したが、時間が足りずに良いプレーを見せる暇がなかったのが岡崎慎司だ。今日の岡崎は上田、安部裕葵、中島たちのプレーを超える活躍はできなかったといえるだろう。


 今日の日本に足りなかったのは、決してクオリティーではない。フィニッシュでの落ち着きだった。正確なシュートができていれば、きっとゴールが決まって違った結果になっていたのではないだろうか。

「久保はサッカーを愛している。もっと素晴らしい選手になる」

「久保(左)はわずか18歳で堂々としたプレーをした」とその将来性にチリ人記者も目を細めた
「久保(左)はわずか18歳で堂々としたプレーをした」とその将来性にチリ人記者も目を細めた【写真:ロイター/アフロ】

テレビ局「カナル13」記者、ゴメス氏


 チリの国民は今回の代表にそれほどの期待や信頼を寄せていなかった。というのも、クラウディオ・ブラボ(GK)やマルセロ・ディアス(ボランチ)といったレギュラー選手が諸事情により招集できなかったからだ。


 完璧なチームでないということで、一抹の不安を抱えていた。「初戦でひょっとして日本に勝てなかったら……」という不安だ。


 チリ人というのは、楽観的ではなく、「まずは見てから」と冷静なのだ。確かにコパ・アメリカ2連覇をしているが、実際に試合を見てみないことには信じられない。今日の勝利は自信をつけて次に進めることになった。


 そういう意味で、日本代表に対して恐れを抱いていたのは事実だ。チリは決して日本を侮ることなく真摯(しんし)に必死に戦った。


 正直スコアは2−1くらいになるのではと思っていた。


 実際、中島のようなクレバーでテクニックのある選手がいて、前半の途中までチリのディフェンスにとって厳しい戦いになると思ったほどだ。


 久保はわずか18歳で堂々としたプレーをした。なによりも彼から感じたのはサッカーを愛し、サッカーができることを幸せに感じているということだ。この先、経験をつけてもっと素晴らしい選手になるだろう。


 日本選手のスピードとテクニックという武器はすばらしいと思った。


 東京五輪に向けた若い選手中心のチームでこの試合ができるということは、もしも本当のA代表なら4−2の試合になったのではないだろうか。

大野美夏

ブラジル・サンパウロ在住。サッカー専門誌やスポーツ総合誌などで執筆、翻訳に携わり、スポーツ新聞の通信員も務める。ブラジルのサッカー情報を日本に届けるべく、精力的に取材活動を行っている。特に最近は選手育成に注目している。忘れられない思い出は、2002年W杯でのブラジル優勝の瞬間と1999年リベルタドーレス杯決勝戦、ゴール横でパルメイラスの優勝の瞬間に立ち会ったこと。著書に「彼らのルーツ、 ブラジル・アルゼンチンのサッカー選手の少年時代」(実業之日本社/藤坂ガルシア千鶴氏との共著)がある。

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