連載:U-20日本代表 俺たちの挑戦

U-20W杯で狙うはベスト8以上 若き日本代表、その可能性を探る

飯尾篤史

厳しい戦いだが、最高の経験を積める

前回大会を上回るベスト8以上の成績を残せるか。若き日本代表の挑戦が始まる 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 5月24日深夜3時30分、U-20ワールドカップ(W杯)・ポーランド大会に出場しているU-20日本代表(影山ジャパン)が初戦のキックオフを迎える。

 2大会連続10回目の出場となるU-20日本代表の目標は、前回大会のベスト16を上回る成績を挙げること。初戦の相手エクアドルは、A代表に選出されているエース、レオナルド・カンパーロ擁する好チームだが、短期決戦で最も重要と言われる初戦で勝点を獲得し、勢いに乗りたいところだ。

 残りの2チームは、さらに強敵だ。2戦目は大会屈指のスター候補であるMFディエゴ・ライネス擁するメキシコ、3戦目は前回大会でも同組となった欧州の雄、イタリアである。

 厳しい戦いが待っているのは確かだが、最高の経験が積めるのも間違いない。

 振り返れば、2017年の立ち上げからチーム作りは順調に進められ、世代間の融合も順調だった。世界大会をにらんで多くの海外遠征もこなしてきたが、5月7日の大会メンバー発表の直前に、主力だった安部裕葵、久保建英、大迫敬介の招集が困難になり、さらに、橋岡大樹、谷晃生も負傷のため、選出不可能となった。

 果たして、影山ジャパンはこのピンチを乗り越え、ベスト8以上の成績を残せるか。その可能性を探るべく、若き日本代表の全貌に迫る。

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郷家友太がチームメートを紹介

 連載第1回では、チーム立ち上げ当初から取材を続ける川端暁彦氏が、これまでの歩みを振り返りながら、影山ジャパンを多角度から論じているので、読んでみてほしい。
 続いて連載第2回では、影山ジャパンのメンバー21人と影山雅永監督について、詳細なデータとともに紹介している。
 ただし、単なる選手名鑑ではない。チーム内屈指の交友関係の広さを誇る郷家友太が、時に笑いを誘いながら、チームメートのプレースタイルからパーソナリティーまでをじっくり紹介しているのだ。
 誰とでも仲良くなれる彼だからこそ成立した企画。これを読めば、U-20日本代表のことがより身近に感じられるはず。試合を見ながら、気になった選手がいれば、スマホでチェックしてほしい。
 連載第3回でお届けするのは、このチームのキャプテン、齊藤未月のインタビュー。身体166センチと小柄だが、無尽蔵のスタミナと、溢れんばかりの闘争心で敵のボールホルダーに襲いかかるファイターだ。
 所属する湘南ベルマーレでは高校3年でプロ契約を結び、チョウ貴裁監督の薫陶を受けて着実に成長を遂げている。プロ3年目となる今シーズンは開幕からボランチとして出場。チームに欠かせぬ存在となっている。
 好きな選手はエンゴロ・カンテとジェンナーロ・ガットゥーゾ。先輩に対しても物怖じせずに意見を言う強心臓の持ち主であるU-20日本代表の頼れるキャプテン、齊藤未月の実像に迫った。
 連載第4回に登場するのは、横浜FCで活躍する17歳のアタッカー、斉藤光毅だ。安部や久保ら、攻撃の軸と考えられていた選手たちの招集が見送られるなか、活躍への期待が大いに高まっている。
 もっとも、斉藤は彼らの代役などではない。U-19アジア選手権では3戦連発と、才能の一端を惜しげもなく披露し、影山雅永監督の抜擢(ばってき)に応えているのだ。
 緊張やプレッシャーとは無縁。17歳だが、メンタリティの強さも魅力。初の世界大会出場を目前にして「自分の大会にしたい」と野心を隠さない攻撃の新キーマンのストーリーをお届けする。
 連載の最後を飾るのは、チームを率いる影山雅永監督のインタビューだ。2017年1月にU-18日本代表監督に就任して以来、世界大会を常に意識したチーム作りを進めてきた。安部にいち早く目をつけ、久保や斉藤らの飛び級も積極的に行い、U-19アジア選手権ではベスト4に進出した。
 本大会を目前にして、一部主力選手たちを招集できないアクシデントに見舞われたが、それでも「責任を持って選んだこの21人がベストメンバーです」と言い切り、「攻守両面でアグレッシブに戦いたい」と力を込めた。集大成の戦いに挑む影山監督の言葉に耳を傾けてほしい。

U-20日本代表基本布陣 【スポーツナビ】

次ページに日本のグループステージ日程、出場国などを掲載

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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