グランアレグリア異次元スピードで桜V アーモンドアイ超えにルメール「速っ!」

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平成最後の桜花賞馬は記録詰めの女王

タイムのほか、年明け初戦、レース間隔など記録尽くめの勝利となった 【スポーツナビ】

「体が大きくなってパワーアップしています。朝日杯のころは経験がなかったですけど、今日は彼女の仕事をしっかりとしてくれました。押したときにすぐに反応してくれましたからね」

 ちなみに、前半はスローともいえるラップだったが、それでいてアーモンドアイのタイムを0秒4上回るレコードタイムだったのだから、いかに後半が速かったか、ということだ。前半の半マイル47秒7に対し、後半は2秒7も速い45秒0。これはほぼグランアレグリアがマークしたものであり、しかも1000メートルから1200メートルのラップは10秒8というとてつもない数字だから驚きだ。もちろん、昨年とは馬場の質が違うだろうから、このタイムをもって“アーモンドアイを超えた”とは言わないけれど、昨年とのタイム差を聞いたルメール自身、「速っ!(笑)」と日本人と同じ言い回しで驚いていたのが、なんともお茶目だった。

 あと、“アーモンドアイ超え”と言えば、もう1つある。グランアレグリアの今走は昨年12月の朝日杯FS以来。年明け初戦で桜花賞を勝ったのは史上初の快挙であり、前走から中111日での勝利は、昨年のアーモンドアイが記録した中89日をも上回る桜花賞史上最長のロングシュートなのだ。さらに付け加えれば、グランアレグリアは18年6月3日デビュー(1着)。これは、2歳戦がスタートして以降、桜花賞馬としては最も早く中央競馬でデビューした馬だという。平成最後の桜花賞馬は、まさに記録尽くめの女王というわけだ。

令和最初の二冠馬を目指し、次はオークスかNHKマイルCか

次走はオークスか、NHKマイルカップか――その選択に注目だ 【スポーツナビ】

 こうなると、注目の次戦だが……。

「血統的にもこれくらいの距離が強いのかなと思います。たまたまウチの厩舎にはもう1頭、1800メートルで強い競馬をした馬(GIIIフラワーカップを勝ったコントラチェック)がいて、この子もオークスに行きたいと思っています。ですから、グランアレグリアについてはオーナー、ジョッキーと相談して路線を決めていきたいですね」

 こう語ったのは藤沢和調教師。トレーナーの視線としてはマイラーとしての才能を見出している様子で、ルメールも距離については「いい質問ですね(笑)」とひと呼吸置いてから「とてもスピードがある馬。母の父もタピットでスピードのあるアメリカンホース。1600メートルはベストだと思います」と明言。さらに、ジョッキー自身が次走を選べるとしたら?という質問には「NHKマイルカップ」とキッパリ言い切っている。過去のオークスを紐解けば、本質はマイラーでも能力の違いで2400メートルを好走した馬はいるが、藤沢和調教師が語ったようにオークスで勝負になりそうな同厩馬がいるとなれば、わざわざ競合せずに使い分けるのは自然な流れだろう。

 いずれにせよ平成最後の桜の女王は、令和の新時代最初の“二冠馬”を目指すことになる。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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