国枝調教師に聞く、新しい時代への挑戦 アーモンドアイが見つめる先に

夢をつなぐ走りを

ドバイに発つ前、国枝調教師は「夢はできるだけ長く見ていたい」とアーモンドアイにかける期待を語っていた 【写真:和田章郎】

「あの馬の普通じゃないのは、走る毎に内容が一段、また一段、みたいにして良くなっていること。何連勝もして、一流馬と呼ばれるような馬でも、その途中のどこかで普通の勝ち方に落ち着くことがあるんだけど、アーモンドアイは一戦毎にパフォーマンスが凄くなっている。そういう走りを見せられると、やっぱり夢は広がるよね。
 そういう馬に関わっている以上、その夢はできるだけ長く見ていたいし、競馬ファンの皆さんもそうだと思うんです。日本の競馬界全体のためにもなるしね。だから自分も楽しみだし、ここは経験の意味もあるけど、何とかクリアしてもらいたいですよ」

“次”というのは凱旋門賞のことになるのかどうか、それはひとまず置いておいて、当面のドバイ・ターフ。相手関係について、を向けてみた。

「ここを使ってくる外国馬のレベルがどうなのか、というのはあるけど、相手云々よりか、自分自身がしっかりした走りをしてほしいよね。まずはそれから」

 相手は眼中にない、と言いたいわけではなくて、国枝師にとって重要なのは、そこではない、ということなのでしょう。

夢の続きの“続き”は?

 最後に、それにしても、の話。

 多くのファンはアーモンドアイのターフへの出走について、「シーマクラシックではないんだ」と思ったのではないでしょうか。実は筆者もその一人。

 シーマクラシックは芝2410m。ジャパンCを強烈なレコードで走ったアーモンドアイですし、“次”を凱旋門賞と仮想するなら、尚のことシーマクラシックでいいのでは?

 更にレイデオロ、シュヴァルグラン、スワーヴリチャードらが出走を予定しているのですから、注目度もいや増します。

 ま、その楽しみは日本で、ということで、なるほどこれも“夢”の続きか、と納得しかけて、また不安になったのです。

 アーモンドアイが“夢”を目指して突き進むと、秋はおそらく海外遠征。そうすると日本のトップクラスとの対戦はまたしてもお預けになるんだろうか、と。

 いや、それとも夢の対戦は、かの地で実現することになるのだろうか、と。

 日本にとどまらず世界中が注目するドバイミーティング。とりあえず現段階で我々にできるのは、そこでの各馬の走りをチェックすることしかなさそうです。

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著者プロフィール

中央競馬専門紙・競馬ブック編集部で内勤業務につくかたわら遊軍的に取材現場にも足を運ぶ。週刊競馬ブックを中心に、競馬ブックweb『週刊トレセン通信』、オフィシャルブログ『いろんな話もしよう』にてコラムを執筆中。

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