松中「岡本君なら動く球に対応できる」 WBC優勝戦士が語る、今の侍ジャパン

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 稲葉ジャパンがメキシコとの強化試合(3月9〜10日、京セラドーム大阪)で再始動する。2020年東京五輪での金メダル獲得へ向けて今、何をすべきなのか。平成唯一の三冠王にして、第1回WBC日本代表の4番として世界一に貢献した松中信彦氏に、メキシコ戦の注目点から今後への期待、“打倒・世界”のための日本人打者の課題などを聞いた。(取材日:2月27日)

国際大会で打つポイントとは

WBC、五輪と数多くの国際試合を知る松中さん。「経験」が重要だと語る 【写真は共同】

――今回のメキシコ戦には投手12名、野手16名が選ばれ、初選出が11名(うち野手6名)と若手中心のフレッシュな顔ぶれになりました。このメンバーを見ての率直な感想は?

 時期がシーズン開幕前の春先だということもあるし、新しい選手を試す試合でいいと思います。その中で吉田(正尚/オリックス)君や岡本(和真/巨人)君、そしてやっぱり清宮(幸太郎/北海道日本ハム)君に注目したい。どんなバッティングをするのか、非常に楽しみですね。(※編注:清宮は怪我のため3月4日に出場辞退を発表)

――今挙げられた3選手は松中さんと同じスラッガーですが、国際大会で打つためにはどのようなところがポイントになりますか?

 WBCなどの国際大会を戦ってきて、日本代表の課題はやっぱり打撃陣ですし、その中でも動くボールへの対応になる。メキシコ代表の投手陣の投げるボールがどうかという疑問点はありますけれど、今秋のプレミア12、来年の東京五輪に向けては、外国人投手が投げるツーシーム、カットボールに対応する必要がある。今回の若い選手たちがどこまで打てるのか。そこが注目ポイントでしょう。

――まだまだそういう動くボールというのは、今の日本球界で体験することは難しい?

 そうですね。前回のWBCもそうでしたが、メジャーリーガーの一流どころは150キロのツーシームだったりカットボールだったりを投げてくる。それに対して日本人は、早く足を上げてタイミングを取るバッターが多いので、手元で動くボールに対応しきれない。大谷(翔平/エンゼルス)君が去年あれだけ打てた理由は、打撃フォームを変えたこと。足を上げずにノーステップで、体重移動せず自分のポイントで100%の力を出せる打ち方を自分のものにしたから。もともとの能力が高いということもありますけれどね。

――海外、特にメジャーの一流投手を打ち崩すためには、日本人の打者が自分のフォーム、考え方を変えていく必要がある?
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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