侍ジャパンシリーズ・メキシコ戦の第2戦が10日、京セラドーム大阪で行われ、日本はメキシコに6-0と完封勝ちを収めた。
日本は初回、メキシコ先発・バレダを攻めて無死満塁のチャンスを作ると、この日4番に座った吉田正尚(オリックス)がグランドスラム。さらに、田村龍弘(千葉ロッテ)のタイムリーで1点を加え、一挙5点の先制に成功した。
その後も毎回のようにランナーを出すが、攻撃がかみ合わず追加点を奪えない。しかし、日本投手陣は7人の継投でメキシコ打線に得点を許さず、7回には吉田がこの日5打点目となる犠牲フライを放ち勝負を決めた。
稲葉監督率いる侍ジャパンは、メキシコとの強化試合を1勝1敗で終えた。今後は秋のプレミア12、来夏には東京五輪が控える。
侍ジャパンシリーズ2019「日本vs.メキシコ」
2019/3/10 19:00 京セラドーム大阪
日本が無失点リレーで勝利 吉田は満塁弾含む5打点
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メキシコ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日本 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 6 |
バッテリー/本塁打
メキシコ | バレダ、F・ロドリゲス、レイエス、バルガス、リオス、アロ、アビラ-カリージョ |
---|---|
日本 | 原、山本、田口、三上、森原、森、山崎-田村、甲斐 |
本塁打 | 吉田 |
総括
-
野球を外から客観的に見る機会というのは、プロ野球の世界に入ってしまうと少ないと思います。でも、こういう代表戦だと…
WBC2度出場のサブマリン・渡辺俊介氏(写真:本人提供) 詳細を読む (アプリ限定)
ダイジェスト動画
試合前
両軍の先発メンバー。
<メキシコ>
1番:I・ロドリゲス(遊)、2番:アギラル(左)、3番:V・メンドーサ(一)、4番:メネセス(右)、5番:フアレス(指)、6番:B・エルナンデス(三)、7番:ペレス(二)、8番:ロペス(中)、9番:カリージョ(捕)、投手:バレダ
<日本>
1番:吉川(遊)、2番:中村(二)、3番:近藤(指)、4番:吉田(左)、5番:上林(右)、6番:大山(三)、7番:村上(一)、8番:田村(捕)、9番:野間(中)、投手:原
-
メキシコの国内リーグはわりと変化球が多くて、打者も対応に慣れている。投手陣は最初から変化球に頼らず…
WBC2度出場のサブマリン・渡辺俊介氏(写真:本人提供) 詳細を読む (アプリ限定)
1回表
日本の先発は東京ヤクルトの原。
1番のI・ロドリゲスはフルカウントからショートゴロ。2番・アギラルもショートゴロ。3番のV・メンドーサは真ん中の変化球をレフト前へ運びヒット。4番・メネセスはセンターフライ。
日本は初選出の原が無難な立ち上がりを見せる。
1回裏
メキシコの先発は右腕バレダ。
1番・吉川は追い込まれてから高めの直球をセンター前ヒット。2番・中村の2球目に吉川が盗塁成功。中村、3番・近藤と連続四球で無死満塁。4番・吉田は2球目を捉えライトへの満塁ホームラン。日本が4点を先制。
5番・上林は見逃し三振。6番・大山は四球。7番・村上の2球目に大山が盗塁成功。村上は空振り三振。
メキシコは早くも二番手の右腕F・ロドリゲスにスイッチ。
二死二塁から8番・田村は2球目をセンター前へ弾き返しタイムリーヒット。9番・野間はショートフライ。
日本は相手の立ち上がりを捉え、初回に5点を先制した。
【動画】吉川が持ち味発揮!侍ジャパン初打席でヒット!さらに盗塁を決める!
【動画】吉田の満塁ホームランで侍ジャパン先制!
【動画】田村のタイムリーで侍ジャパンが追加点!
2回表
5番・フアレスはサードゴロ。6番のB・エルナンデスは内角シュートに詰まりショートフライ。7番・ペレスはショートゴロ。
原は打たせて取るピッチングで2回を三者凡退に抑えた。
2回裏
1番・吉川はセカンドゴロ。2番・中村は四球。3番・近藤の打席で中村が盗塁成功。近藤は空振り三振。4番・吉田は四球で2死一、二塁。5番・上林はショートゴロ。
日本はこの回も得点圏にランナーを送ったが無得点に終わった。
3回表
日本は2番手にオリックスの山本を送る。
8番・ロペスはライトフライ。9番・カリージョはショートゴロ。1番のI・ロドリゲスもショートゴロだったが吉川の送球エラーで出塁。2番・アギラルはショートゴロ。
山本はエラーのランナーを背負うも後続を許さず、無失点に抑えた。
3回裏
6番・大山はデッドボールで出塁。治療のためベンチへ下がり、代走に大城が送られる。7番・村上はセカンドフライ。8番・田村の打席で大城が盗塁成功。日本の盗塁はこの試合早くも3つ目。1死二塁から田村は空振り三振。9番・野間はファーストゴロ。
日本はこの回も得点圏へランナーを送るが無得点。
4回表
代走に出た大城がそのまま三塁を守る。
3番のV・メンドーサはファーストゴロ。4番・メネセスはセンターへの二塁打。メネセスは昨日の試合と合わせて4本目の二塁打。5番・フアレスは三遊間を破るレフト前ヒット。1死一、三塁から6番のB・エルナンデス、7番・ペレスとも空振り三振。
山本はピンチを迎えるもフォークで連続三振を奪い、失点を許さない。
【動画】山本が2者連続三振でピンチを切り抜ける
4回裏
メキシコはこの回から3番手レイエスがマウンドへ。
1番・吉川はレフトフライ。2番・中村はサードゴロ。3番・近藤は4球目をレフト前ヒット。4番・吉田の打席で近藤が盗塁失敗。スリーアウト。
積極的な仕掛けが目立つ日本だがここは失敗に終わり、結果的に3人で攻撃を終えた。
5回表
この回から日本は3番手として巨人の田口がマウンドへ。
8番・ロペスはセカンドへの内野安打。9番・カリージョはレフト前へのクリーンヒット。無死一、二塁から1番のI・ロドリゲスは強い当たりのショートゴロ、6-4-3のダブルプレー。2番・アギラルは見逃し三振。
田口はいきなり連続ヒットを許しピンチを招いたが、後続を断って無失点に抑えた。
-
WBCに出た時は、足を上げて打ちにいくと、インパクトが弱くなって打ち取られた。「この形でなければ打てない」となってしまうと…
第1回WBC4番打者・松中信彦氏(写真:本人提供) 詳細を読む (アプリ限定)
5回裏
メキシコは4番手バルガスがこの回から登板。
4番・吉田は3球目を打ちセンター前ヒット。5番・上林はフルカウントから空振り三振。スタートを切っていた吉田も刺され三振ゲッツーとなる。6番・大城はフルカウントから内角のツーシームに空振り三振。
先頭を出した日本だがこの回も攻撃がかみ合わず、2回以降無得点が続く。
6回表
日本はDeNAの三上が4番手として登板。
3番のV・メンドーサは4球目を捉えセンター前ヒット。4番・メネセスは外角の変化球を引っかけてサードゴロ併殺打。5番・フアレスの打球はセンター前にフラフラっと上がり、野間のスライディングキャッチも及ばずヒット。6番B・エルナンデスのライト前ヒットで一塁走者フアレスが三進。2死一、三塁から7番・ペレスは真っすぐに詰まりショートフライ。
三上は3安打を浴びるも要所を締めて無失点で切り抜けた。
6回裏
メキシコの5番手は右腕のリオス。
7番・村上は空振り三振。8番・田村は直球を逆方向に打ち返すも大きな当たりのライトフライ。9番・野間はチェンジアップに崩されファーストゴロ。
日本はこの試合初めての三者凡退に終わった。
7回表
日本は5番手として楽天の森原をマウンドへ送り、捕手を甲斐に交代。
8番・ロペスはフォークに空振り三振。9番・カリージョは内角ストレートに詰まりショートゴロ。1番のI・ロドリゲスも真っすぐで押し込まれサードゴロ。
ストレートとフォークのコンビネーションが冴える森原がメキシコ打線を三者凡退に切ってとった。
7回裏
メキシコの6番手はアロ。
1番・吉川の打球はボテボテのゴロとなりサード内野安打。2番・中村は死球。3番・近藤はセンターフライ、二塁走者の吉川がタッチアップし1死一、三塁。4番・吉田はレフトへの犠牲フライ。吉川が生還し日本に追加点。2死一塁となって、5番・上林は初球を打ち上げキャッチャーへのファウルフライ。
日本が初回以来となる得点をあげた。吉田はこの日5打点の大活躍。
【動画】吉田の犠牲フライで侍ジャパンが追加点
8回表
日本は6番手にソフトバンクの森を送る。
先頭の2番・アギラルは初球のストレートを捉えるがライトフライ。3番のV・メンドーサは内角へ食い込むカットボールにバットを折られてセカンドゴロ。4番・メネセスは真ん中の変化球を打ってショートゴロ。
森が持ち味を発揮し、メキシコ打線に反撃を許さない。
8回裏
メキシコはアビラが7番手のマウンドへ上がる。
6番・大城は高めのボール球に手が出て空振り三振。7番・村上は詰まりながらもレフト前ヒット。代走に京田が送られる。8番・甲斐はフルカウントから外角スライダーに空振り三振。スタートを切っていた京田は盗塁成功、2死二塁。9番・野間は初球のストレートに詰まらされレフトフライ。
得点圏にランナーを進めた日本だったがここは得点に至らず。
9回表
日本の7番手はDeNAの山崎。
5番・アマダーはストレートを打ってセカンドゴロ。6番のB・エルナンデスは真っすぐに振り遅れて空振り三振。7番・ペレスも真ん中ストレートに空振り三振。
日本は7投手の継投でメキシコ打線を完封。1勝1敗でシリーズを終えた。
見どころ
侍ジャパンシリーズ・メキシコ戦の第2戦が10日、京セラドーム大阪で行われる。19時プレーボール予定。
日本は原樹理(東京ヤクルト)が先発する。シュートを武器とする右腕は、前日4安打を放ったメネセス(オリックス)など、右の強打者を抑えることができるか。第1戦のような終盤の逆転劇を防ぐには、ベンチの継投策が鍵を握るだろう。
打線は走者を出してからの攻めに注目したい。初戦は2点リードを奪った後、得点を挙げることができず、劣勢に追い込まれた。着実に点を重ねるためにも小技や足を使った攻撃を見たいところだ。
関連リンク
- 侍ジャパントップチーム選手一覧
- メキシコ代表選手一覧 侍ジャパン公式サイト
- 松中「岡本君なら動く球に対応できる」 WBC優勝戦士が語る、今の侍ジャパン スポーツナビ
- 渡辺俊介「国際球への対応のポイントは…」 WBC優勝戦士が語る、今の侍ジャパン スポーツナビ
- メキシコ野球の特徴、現状を探る 侍Jにとっては“最高のパートナー”? スポーツナビ