プロ野球春季キャンプ「10大ニュース」 どうでもいいのと、そうじゃないのと

カネシゲタカシ
(6)中日・根尾昂、9歳の女の子からプロの洗礼を受ける
 2軍キャンプ地でのトークショーに注目の根尾くんが登場。しかし、根尾とポジションを争う京田陽太のファンだという9歳の女の子から「京田選手に勝てますか?」と内角をえぐる質問を受けタジタジ。根尾は「まだ勝負できる状態にないので早くスタートラインに立ちたいです」と絶妙な死球回避。さすがです。

これ実は記者が言ってんじゃないか? 【イラスト:カネシゲタカシ】

(7)藤原恭大のおかげで千葉ロッテマリーンズがこの世に存在することが確認できた
 これ僕が言ってんじゃないです。よく訓練された自虐的ロッテファンによる発言です。でも、たしかに大阪桐蔭高で根尾くんとともに甲子園を沸かせた藤原くんの加入で、ロッテキャンプには例年にない存在感がありました。また新外国人のバルガスがとにかく明るい! 球団公式動画でダンスを披露したり、「ガンバルガス」「オマエもガンバルガス」を連呼したり。これまでロッテにいないタイプのせいか「陽気すぎてちょっと引く」というファンの声も。

(8)FAした丸佳浩より、人的補償の長野久義のほうが話題に?
 広島ファンのみなさんは、赤ヘルの長野久義を熱烈応援する日が来るなんて夢にも思わなかったでしょう。FA制度も人的補償制度も人為的にドラマを生み出す装置として大変貴重です。一般社会でも、最もドラマチックな話題は「人事」ですから。ちなみにツイッターでは「カープのキャンプを見に行って長野からサインもらえたのをテレビでインタビューされた自分は大のドラゴンズファン」という個人的すぎるニュースもいただきました。

人的補償で広島に移籍した長野。強力赤ヘル打線の中でも存在感は抜群だ 【写真は共同】

(9)東北楽天に「応援歌騒動」が勃発も、旧応援歌の一部復活で決着
 球団主導で去年までの応援歌をほぼ全廃して新応援歌に刷新しようとするも、十分な説明がなかったために多くのファンが反発。騒動に発展しました。改革そのものは悪ではありません。しかし、感情の置き去りは危険です。プロ野球は娯楽であり、その商品は他でもない「感情」なのですから。応援団が許可制である以上、「応援される側」が「する側」を仕切るのはやむを得ません。でもよく考えれば不思議な構図。にもかかわらず、今回の楽天球団はあまりに仕切りすぎました。応援の根本を見失い、ファンへの敬意を欠いた行為だったと言わざるを得ません。なお騒動は「旧応援歌の一部復活」でひとまず決着した模様です。

(10)埼玉西武、初の“対外試合”は敗戦。「ケイドロ」で子どもたちにスイープされる
 最後はほのぼのした話題。埼玉西武のキャンプでは毎年ふれあいイベントで子どもたちと「ケイドロ」をやっているそうです。ツイッターで情報をいただくまで知りませんでした。ちなみに今年の結果は0勝3敗で西武の完敗。去年のリーグ覇者を破ったことで、パの暫定王者は「日南市スポーツ少年団」となりました。

※ ※ ※

 他にも「日本ハム白村、野手転向」や「横浜DeNAの節分イベントは満を持して“鬼はソト”」など、さまざまなニュースがありました。オープン戦もいよいよ始まり、1カ月後の開幕が待ち遠しいですね。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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