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難なくクラブW杯を制したレアル・マドリー
他チームに示した“果てしない格差”

順当なレアルの優勝 アルアインのサプライズ

2018年のクラブW杯はレアル・マドリーが優勝。他のクラブとの“とてつもない力の差”を示す結果となった
2018年のクラブW杯はレアル・マドリーが優勝。他のクラブとの“とてつもない力の差”を示す結果となった【写真:ロイター/アフロ】

 今回もレアル・マドリーは何の問題もなくクラブワールドカップ(W杯)を勝ち取ることになった。最大のライバルとなるはずだったアルゼンチンのリーベルプレートが準決勝で敗退したこともあり、決勝では開催国代表のアルアインを4−1と難なく下している。


 クラブW杯が現行の形で行われ続ける限り、欧州を代表するビッグクラブと他地域のクラブの間に存在するとてつもない力の差は縮まることがないだけでなく、今後さらに広がっていくことだろう。


 別にレアル・マドリーのプレーレベルが突出していたわけではない。今大会がサンティアゴ・ソラーリ監督の続投有無を判断する評価基準の1つになるという国内メディアの見方も、リーベルの準決勝敗退によってタイトル獲得を阻む障害がなくなり、意味をなさなくなった感がある。


 レアル・マドリーの優勝を除けば、今回はサプライズの多い大会だったと言える。何より開催国枠で出場したチームが決勝まで勝ち進むのはまれなことだ。しかもアルアインの躍進は初戦でニュージーランドのチーム・ウェリントンに3ゴールを先行されたところからはじまっている。


 クロアチア人監督ゾラン・マミッチ率いるUAE王者は0−3から3−3に追いついた末にPK戦を制して準々決勝に勝ち進んだ。その後はUAE代表GKハーリド・イーサ、エジプト代表MFフセイン・エルシャハト、ブラジル人FWカイオらの活躍により、予想外の快進撃がはじまった。


 フィジカルコンタクトの強さを生かしたハイプレスでライバルに圧力をかけ、マイボール時は的確な判断でボールを丁寧に動かしていく。そうやってアルアインはチュニジアのエスペランスを3−0で一蹴し、優勝候補の一角であるリーベルとの準決勝にたどり着いた。

繰り返される南米フットボール界の失態

リーベルプレートは準決勝敗退。3位決定戦には勝利したものの、アルゼンチン勢として初めて決勝に進むことができなかった
リーベルプレートは準決勝敗退。3位決定戦には勝利したものの、アルゼンチン勢として初めて決勝に進むことができなかった【写真:ロイター/アフロ】

 リーベルはコパ・リベルタドーレスの決勝で宿敵ボカ・ジュニオルスを破り、クラブW杯の出場権を得た。だが、同決勝のセカンドレグがマドリー開催に到るまでの過程は混乱を極め、リーベルの優勝が決まった時点でクラブW杯の初戦は一週間後に迫っていた。


 これらの混乱が選手たちを心身ともに消耗させたとリーベルの幹部は主張していたが、それもアルアイン戦の失態を正当化する言い訳にはならない。アルアイン戦では相手に与えられるべき明らかなPKが見逃されており、誤審に救われなければPK戦に持ち込むことすらできなかったかもしれないのだ。


 宿敵とのスーペルクラシコを制して南米王者に輝いたことが何よりも重要なのだと、当人たちは主張している。3位決定戦では鹿島アントラーズを4−0で下し、良い形で大会を終えることもできた。だがアルゼンチン勢として初めて決勝に勝ち進むことができず、それも大陸王者ではないチームに敗れた今大会の失態が、国際舞台での実績に陰を落としたことは事実だ。


 南米王者の準決勝敗退はこの9年間でこれが4度目。ほぼ2年に一度の頻度で失態を繰り返している現状は、南米フットボール界に大きな課題を残すことになった。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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