難なくクラブW杯を制したレアル・マドリー 他チームに示した“果てしない格差”

期待外れのグアダラハラと鹿島

鹿島は初戦のグアダラハラに勝利したものの、その後は連敗。サプライズを起こすことはできなかった 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 それはメキシコのグアダラハラも同じだ。CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)王者はまたしても準々決勝で姿を消した。PK戦による決着だったとはいえ、今回は5位決定戦でもエスペランスに敗れている。チームが移行期に差し掛かっている現状を考慮しても、北中米を代表するビッグクラブとしてはあまりにも乏しい成績である。

 期待外れという点は鹿島アントラーズも当てはまる。2016年大会の決勝ではクリスティアーノ・ロナウド擁するレアル・マドリー相手に延長戦にもつれ込む激戦を演じただけに、今回の準決勝でもロス・ブランコスを苦しめることが期待されていた。

 だがふたを開けてみれば両者の力の差は明らかで、善戦したのは立ち上がりの10分間のみだった。その後はレアル・マドリーがリズムをつかみ、ギャレス・ベイルが恐るべきポテンシャルを見せつけることでサプライズの可能性は消し飛んでしまった。

 鹿島にフットボールの質が欠けていたことは確かだが、彼らの前に立ちはだかったレアル・マドリーの強さも想像以上だったのだろう。ロナウドを失い、国内リーグでは苦戦続きの状況ながら、彼らには優勝を義務付けられたプレッシャーも重荷にはならなかったようだ。

 現状の大会形式が続く限り、欧州王者の優位は揺るぎそうにない。選手の質だけでなく、準備期間やその他の背景も含め、他地域代表との間にはあまりにも大きな差があるからだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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