ステルヴィオ変身これが世界トップの腕 外国騎手旋風止まず6週連続のGI勝利

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「馬の名誉を回復したかった」執念の仕上げ結実

目指すはマイルの絶対王者か、それとも中距離までこなす万能王者か 【スポーツナビ】

 ビュイックが称賛を送った“厩舎の力”。執念の仕上げを結実させ、開業8年目でJRA・GI初勝利を手にした木村調教師が苦難の道のりを振り返る。

「ステルヴィオに関わりのある全ての人たちが、この馬を何とかしたいとエネルギーを込めてくれた。その結果だと思います。皐月賞は今でもかなり大きなチャンスだったと思っているんですが、私が調教を失敗してしまったためにトップコンディションで出してあげることができなかった。秋は絶対にステルヴィオの名誉を回復したいと思っていたんです」

 惜敗にピリオドを打つ待望のビッグタイトルを手にしたことで、ステルヴィオはまた一つ、大きく成長していくことだろう。まして、まだまだ若い3歳馬だ。木村調教師は「恥ずかしながら頭が真っ白で……」と、次走以降のプランは答えられないと語ったが、ビュイックは若きマイル王の将来の可能性をこう語っている。

「3歳馬だから、これからもっと成長していくと思いますよ。距離も1800メートルや2000メートルも大丈夫だと思うので、選択肢として色々なGIがあると思う。海外も視野にどんどん挑戦してほしいですね」

次週JCは日本人ジョッキーの活躍を見たい

頼りになる外国人ジョッキーがまた一人……その一方で日本ジョッキーの奮起に期待したい 【スポーツナビ】

 新たなマイルチャンピオンが生まれたことで、マイル路線は再び混沌の様を呈してきた。ステルヴィオが絶対王者としての道を歩むのか、ビュイックの助言どおり中距離までこなす万能王者としての道を目指すのか。可能性の塊であるステルヴィオの存在がマイル〜中距離路線をさらに面白くしてくれるのだけは間違いなさそうだ。

 また、ビュイックが頼りになるジョッキーだと改めて分かり、予想・馬券作戦の手が増える一方で、外国人騎手が6週連続でGIレース勝利。エリザベス女王杯後は「馬券になる騎手、馬を勝たせる騎手ならば国籍は別にどっちでもいい」的なことを書いて、その考えに変わりはないのだけど、やはり同じ日本人として根底にあるのは「日本人騎手頑張れ!」なのだ(JBCは3つのうち2つを日本人ジョッキーが勝ちましたが……)。

 次週ジャパンカップはルメール騎乗のアーモンドアイが不動の主役になるが、世界のホースマンが注目するこのレースで、日本馬の強さだけじゃなく、日本人ジョッキーの腕も国内外にアピールしてほしいと、切実に思うのです。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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