連載:あの馬はいま 一世を風靡した競走馬たちの歩み

融通は利かないが人にはめっぽう優しい 職人気質のグラッツィア

原口啓一(teramix)
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芝、ダート、障害、すべての舞台でそれなりの成績を残したオールラウンダー・ホース「グラッツィア」。引退後はサンクスホースプロジェクト経由でTCCホースとなった 【Photo by Thanks Horse project】

 生まれた時から、おそらく心の広い馬だったのだろう。さまざまな要求に対してしっかりと答えを出しながら歩んできたこれまでの道のりを考えると、この馬には「誠実」という言葉がピタリと当てはまる。グラッツィア、10歳。芝、ダート、障害、そして中央競馬から地方競馬とさまざまな舞台で闘ってきた競走馬だ。

 そのひたむきな姿にファンも多く、TCCホースとして現在は岡山乗馬倶楽部に預託されている。ここでもセラピー馬としての対応から、障害飛越競技に参加する競技馬としての顔まで、転用幅の広いオールラウンダーぶりを発揮。どんな要求に対しても高いパフォーマンスでこなすグラッツィアは、会員の間でもいちばんの人気馬だ。特に子どもに対しての包容力には驚かされる。特別な感性のスイッチが入ったかのように優しいオーラで子どもを包み込む。
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著者プロフィール

エディター。1951年4月25日生まれ(67歳)。女性総合誌の編集者として人物インタビュー、トラベル取材、ファッションなどを手掛ける。その後、馬の美しさと競馬・乗馬の世界に魅了され乗馬誌『Equus(エクウス)』を創刊。現在は“Equus Onlin”を主宰。

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