愛のノーヒットノーラン・ラブ完封 「競馬巴投げ!第177回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

WIN5に“不倫妻アドバイス”コーナーの出番がある

 そんなことはさておき、今はAV、それも特に人妻不倫物を愛好している。そこで気になるのは、人妻と不倫する男というのは、必ずコトの最中に「旦那のと比べてどうなんだ、ええ? 奥さん?」と聞く。必ず聞く。悲しい男のサガだ。そしてこの場合、ほとんどの人妻は「あ、あ、あなたの方が大きいわ」と喘ぎながら答える。もう数百本は見ているが「だ、だ、旦那の方が大きいわ」と答えて、その場の雰囲気を台無しにするような不倫人妻は見たことがない。

 しかし問題はここからだ。Aという男が人妻と不倫して「旦那より大きい」と言われていい気になる。しかしAの嫁がBという男と不倫したときも必ず「旦那より大きい」と言う。さらにBの嫁がCと不倫したときも「旦那より大きい」と言い、Cの嫁がDと不倫したときも「旦那より大きい」と言う。旦那A<旦那B<旦那C<旦那D……、不倫妻たちの証言によれば、数学で言う発散無限級数となり、こうなると最後の旦那Zはもう“藤村富美男の物干しバット”みたいなものをブルンブルン振り回しておらねばならない。そんなもの、パンツはおろかズボンにも入りゃしないぞ。

「“わらしべ長者”なんて、そんなもの現代には有り得ない」と普通人は言うが、不倫人妻の集まりではそうではない。「私たちの経験では、わらしべみたいなチンケなワラが藤村富美男の物干しバットに化けていくことはよくあるわよねえ、ふふふふ」とシュミーズ1枚、片足上げて微笑み合っている。

 競馬でいま発散無限級数に最も近いのはWIN5だ。しかしいまのは前もって5レース全部買う形だから、5連単の興奮度とあまり変わらない。ポーカーで言うレイズアップがないからだ。ここに“不倫妻アドバイス”コーナーの出番がある。

 第1レースに勝つと同時に「続行しますか? 続行するには2倍の賭け金が必要ですが」と聞く。第2レースも勝つと「凄いですね、あなた。続行しますか? また2倍の賭け金が必要ですが」と聞く。

 2連勝のお父さんはパソコン前で大いに悩む。そういうとき「不倫妻コーナー」をクリックする。クリックしたって「お、お、おっきい、旦那よりずっと大きい!」と何やら場違いな喘ぎと叫びが聞こえてくるだけだ。それでもお父さんはその声に奮い立つ。

「オレの物干しバットがそんなに恋しいか」などと意味不明のことを言ってレイズアップ男になるのだ。
            *
 ほんとは姫路競馬場場外発売所で、そういう話がしたかった。

「無限発散級数と男根わらしべ長者」の話は、来秋、姫路競馬再開イベントのときにゆっくりさせてもらうこととする。

スプリンターズS関西馬5頭の写真を

 とりあえず(そんなに多くないですが)写真説明から。

[写真1]アレスバローズ 【写真:乗峯栄一】

[写真1]はアレスバローズ。今週の撮影。CBC賞、北九州記念と短距離重賞を連覇してきている。ただ、最後の切れ脚で勝負するタイプだけに、この雨模様はどうか。

[写真2]ティーハーフ 【写真:乗峯栄一】

[写真2]はティーハーフ。今週の撮影。3走前のオープン戦に勝ったが、追い込みタイプだけに、雨模様は不利だろう。

[写真3]ファインニードル 【写真:乗峯栄一】

[写真3]はファインニードル。今週の撮影。追い切りのあと、角馬場で入念に足慣らしをしていた。春の高松宮記念、秋緒戦のセントウルを勝ち、絶好調の状態にあるようだ。

[写真4]ラブカンプー 【写真:乗峯栄一】

[写真4]はラブカンプー。今年の桜花賞週の撮影。桜花賞には出られなかったが、その後の短距離戦線では優秀成績が続いている。

[写真5]レッツゴードンキ 【写真:乗峯栄一】

[写真5]はレッツゴードンキ。今春、高松宮記念週の撮影。前にいって粘る戦法だけに、この雨模様は幸いするかも。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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