新加盟クラブも加わったB2が熱い! Bリーグ3季目は“反撃”に期待

大島和人

B1との「カテゴリー格差」があったB2だが……

17−18シーズンにB1昇格を果たした西宮だが残留に失敗。今季はB2から再スタートとなる 【(C)B.LEAGUE】

 過去2シーズンを振り返ると、B2とB1の盛り上がりに差を感じることもあった。2017−18シーズンにB1へ昇格した島根スサノオマジック、西宮ストークスは残留に失敗し、1年でB2へ逆戻りしている。観客数、経営規模を含めた「カテゴリー格差」は率直に言ってあった。

 一方でB2には新加盟、オーナーの交代などによる新しい風が吹き込み始めている。今後はB3以下からの押し上げも強まるだろう。18−19シーズンからは岐阜SWOOPS(スゥープス)がB3に参戦し、先日には続く3クラブのB3準会員加盟も認められた。ちなみに10クラブでスタートしたサッカーのJリーグは、現在ではJ3まで53クラブが全国に展開している。

 一方、BリーグはbjとNBL、NBDLのほぼ全クラブを引き受けた成り立ちから、開幕当初より2部36クラブ体制だった。開幕に向けた動きも急だったため、体制整備が後手に回ったクラブもある。しかしBリーグも3季目を迎えて、そういったクラブの“反撃”が始まる頃だ。

 今季のB2は下記の18クラブで争われる。秋田ノーザンハピネッツのB1昇格、岩手ビッグブルズのB3降格に伴い、茨城と群馬が中地区から東地区にスライドした。中地区の東京八王子ビートレインズはB3からの新加盟クラブだ。

<東地区>
青森ワッツ
仙台89ERS
山形ワイヴァンズ
福島ファイヤーボンズ
茨城ロボッツ
群馬クレインサンダーズ

<中地区>
アースフレンズ東京Z
東京八王子ビートレインズ
金沢武士団
信州ブレイブウォリアーズ
ファイティングイーグルス名古屋
西宮ストークス

<西地区>
バンビシャス奈良
島根スサノオマジック
広島ドラゴンフライズ
香川ファイブアローズ
愛媛オレンジバイキングス
熊本ヴォルターズ

経営と強化の立て直しを図る仙台

B1の秋田を破ってアーリーカップ東北を制した仙台は、大注目の存在だ 【(C)B.LEAGUE】

 東地区はまず仙台が気になる存在だ。

 bjリーグのオリジナルメンバーで、Bリーグ初年度をB1で戦ったクラブでもある。しかし昨季は東地区4位と低迷し、経営面でも壁に当たっていた。今季はサプリメントメーカー「HALEO(ハレオ)」の経営者であるデービット・ホルトン(43歳)がオーナーとなり、東北楽天ゴールデンイーグルスの幹部社員だった渡辺太郎が新社長に就任。仙台出身で昨季までは現役選手としてプレーしていた志村雄彦も含めた3名が取締役に就任し、経営と強化の立て直しを図ろうとしている。

 新たに桶谷大ヘッドコーチ(HC)が率いるチームも、昨季から大きく入れ替わった。9月上旬に開催されたアーリーカップ東北では、B1の秋田を破って優勝という幸先のいいスタートを切っている。

 仙台は新加入の外国籍選手も強力だ。ダニエル・ミラーはB1レバンガ北海道で2年プレーし、主力級の活躍を見せていたセンター。NBA選手を兄に持つタイラー・ハリスは1on1、3ポイントシュートなど「スキル」で見せるタイプで、共に個の能力は十分だ。

 桶谷HCが岩手時代に指導した月野雅人(PG/SG)の獲得も大きく、彼がコート内のリーダーとしてチームを引っ張ることになるだろう。一方で日本人選手については白戸大聖(SG)、宮本滉希(PF)の明成高コンビや、澤邉圭太、新号健など20代前半の「素材」が多い。彼らの成長がB1復帰の前提となる。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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