【全日本プロレス】ゼウスが石川を振り切り三冠初防衛 野村&青柳がアックスボンバーズ退ける
ゼウスが石川修司を破り三冠ヘビー王座初防衛に成功 【写真:SHUHEI YOKOTA】
メインイベントの三冠ヘビー級選手権試合では、30分を超える激闘の末、新王者・ゼウスが石川修司を下して初防衛に成功した。
2人は昨年の「王道トーナメント」2回戦となる9.18大阪で対戦し、20分13秒、石川がスプラッシュマウンテンで勝利している。
共にインディー団体出身の両者。2015年9月に全日本に正式入団し、7.29大阪で5度目の王座挑戦にしてようやく至宝を手に入れたゼウスに対し、石川はフリー参戦ながら昨年4月の「2017チャンピオン・カーニバル(CC)」に優勝し、その勢いで三冠王座も奪取している。諏訪魔とともに世界タッグ王座を保持する石川は、この試合を前に「平成最後の5冠王になる」と宣言。5冠王として、パートナーの諏訪魔の前に立つという野望を明かしていた。
序盤から激しく火花を散らす
ゼウスと石川は激しい肉弾戦を見せた 【写真:SHUHEI YOKOTA】
20分過ぎにはカミゴェ、スプラッシュマウンテンも飛び出すが、ゼウスはカウント2ではね返し、お返しとばかりにバイセップスエクスプロージョン、ジャックハマー。しかし、これもカウントは2。
25分過ぎ、石川は破壊力抜群の断崖式ブレーンバスターを繰り出すが、これを気力でしのいだゼウスは、両手でマットをたたいて感情を爆発させると、石川の強烈なニーリフトを振り切り、ハイキック、バイセップスエクスプロージョンからのジャックハマーでついに3カウントをもぎ取った。
三冠王者として、いざ、王道トーナメント制覇へ
地元・大阪で決勝戦を迎える王道トーナメントへ三冠王者として挑む 【写真:SHUHEI YOKOTA】
挑戦者の石川については「ヤバイ。正直、もう1回やったら勝てるか分からない」と、その実力を認めつつ、「自分の中の闘魂が燃え尽きるかと思ったけど、もっともっと、メラメラ燃えてる」と、刺激を受けてさらに火が点いたことを激白。9月からの「王道トーナメント」について「もう勝つことしか考えてない。弱気になった部分もあったけど、初めてチャンピオンとして制覇します」と三冠王者として優勝すると宣言。「今回もプレッシャーだらけだったけど、試合中は自分に負けないつもりでいた。もっともっといろんなプレッシャーと戦いながら強くなる」と、あえて重圧を背負うことで、自分自身の心も身体も高め、さらなる頂を目指すことを誓った。
くしくも、王道トーナメント決勝戦の舞台は、ゼウスの地元であり、三冠初戴冠を果たした思い出の地でもある9.24大阪。2カ月前、歓喜の雄たけびを上げた場所で、もう一度、「人生は祭りや、ワッショイ、ワッショイ」の掛け声がこだまするか。
岩本がジュニア新王者に 青木はマスクを脱いで称える
28歳の岩本煌史が青木篤志を破り、世界ジュニアヘビー王座を初戴冠 【写真:SHUHEI YOKOTA】
両者は今年の7.15後楽園で王座を懸けて対戦し、青木が14分11秒、アサルトポイントで4度目の王座防衛に成功。しかし、岩本は7.29大阪で行われた8人タッグマッチで青木に肩固めでリベンジし、連続で挑戦権を獲得した。決戦前夜となる8.25仙台大会では、「Jr. TAG BATTLE OF GLORY」公式戦で激突。(岩本&TAJIRI組vs.青木&佐藤光留組)。岩本が佐藤を孤高の芸術で仕留め、4勝2敗の8点で優勝を果たしており、岩本にとっては2日連続の栄冠となった。
青木は岩本の左肩を鉄柱に打ちつけると、さらにワキ固め、チキンウィングアームロック。しかし、岩本も一本背負い、TAJIRI譲りのタランチュラ、DDT。だが、コブラツイストは青木に切り返され、青木がトペスイシーダ、ミサイルキック、バックドロップ、フロッグスプラッシュ。岩本も裏投げ、肩固めと攻め立てるも、青木はリバースのワキ固めに切り返し、腕十字固めへ移行。さらにラリアット、雪崩式バックドロップ、パイルドライバー。しかし、ここで岩本の伝家の宝刀・孤高の芸術がさく裂。青木はヘッドバット、頭突きで粘るも、岩本がドラゴンスープレックス、ラリアット、ジャーマンスープレックス、孤高の芸術の猛ラッシュで、ついにベルトを手に入れた。
敗れた青木は自らの手でマスクを脱いで素顔をさらけ出すと、握手で岩本の王座奪取をたたえた。