レッドブル・ホンダの可能性を探る 鍵はホンダのパフォーマンス次第か
ドライバーはフレッシュなコンビ
19年にレッドブル・ホンダでコンビを組むフェルスタッペン(左)とガスリー 【Red Bull Racing】
年齢的には若いふたりだが、実力的には勝利を目指すレッドブル・ホンダにとって不足はない。フェルスタッペンは16年に史上最年少でF1初優勝を飾った逸材。17年もチームメートのダニエル・リカルドを上回る2勝を挙げ、予選では13勝7敗とリカルドを大きく上回った。18年もすでにオーストリアGPを制し、予選では12戦終了時点で9勝3敗とリカルドを圧倒。それがリカルド離脱の一因になっていたとも言われている。
近年のF1で、デビューから2シーズン以内に初優勝を遂げ、以後3シーズン連続で優勝しているドライバーは、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ、デーモン・ヒル、ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルとフェルスタッペンしかいない。
一方のガスリーは今年、F1にフル参戦したばかりにも関わらず、すでに光る走りを披露している。第2戦バーレーンGPでは4位を獲得。フェルスタッペンの1年目の最高位に早くも並んだ。
オーバーテイクキングの異名を持ち、これまで幾多の名勝負を披露してきたリカルドの離脱は残念だが、フェルスタッペンが2年目に急成長したように、ガスリーが来年飛躍すれば、ドライバーラインアップは決して悲観することはない。
自信を見せるレッドブルの代表
だが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「保証はないが、今年に入ってからのホンダの仕事ぶりを見れば、来年一緒にやっていくパートナーとして十分に信頼できる相手だ。彼らには素晴らしい施設があり、優秀な人材もいる」と自信をのぞかせる。
これは、昨年ルノーと25馬力以上の差があると言われていたホンダのパワーユニットの性能が、今年は約15馬力にまで迫ってきたのではないかと言われていることが要因ではない。もちろん、馬力はないよりはあったほうがいい。しかし、レッドブルがホンダに本当に求めていることは、単に強力なパワーユニットを供給してもらうという関係ではなく、車体とパワーユニットをひとつ屋根の下で開発していこうという関係だった。その場所がイギリスのミルトン・キーンズにあるレッドブル・テクノロジーだ。
レッドブル・テクノロジーはレッドブルのファクトリーではなく、独立した開発機関で、レッドブルだけでなく、トロロッソも使用している。ホンダが発表したリリースでも、レッドブルだけでなく、レッドブル・グループに2年間パワーユニットを供給すると書かれていたのは、それが理由だと考えられる。